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おいおい聞いてないぞ。俺は。
アスナも驚いている。少しは僕達と打ち合わせなりして欲しいものだ。
モナはニコニコ笑顔を浮かべているだけだ。
大使は驚くもなく冷静にレイをみつめる。
第一線の外交官。相手のどんなにぶっ飛んだジョークでも顔色に出さない。
レイは含み笑いして隠す様子もなく瞬間的に身分証を大使の前に出す。
「合衆国公認だ。」
大使は差し出された身分証を一瞥し眉間に皺が一瞬だが深く寄った。
大使の言葉を待たずレイが話続ける。
「ルドルフ、アスナも異世界人だ。他者への他言は控えて頂きたい。合衆国と不可侵協定を結んでいる。これの意味する事は理解してほしい。」
なにそれ。聞いてないよ。何が合衆国公認だだと。合衆国ってなんだよ。後でレイに聞いておかねば。
「こんなこと本国に話せませんよ。私の頭がイカれたと思われる。しかし参りましたね。世界最大の軍隊と不可侵協定を結ぶ程の実力者が姫様の近くにいるとは。私としても想定外ですよ。」
世界最大の軍隊と不可侵協定って おいおいレイさんよ。地球で何していたのよ。
「質問がある。包み隠さず話せ。モナは何者だ。」