4-5-16
最終戦
彼女達の目は真剣だ。
レイが言った。
「これが最終戦だ。負けた人が最後責任持つで良いな?」
僕達も同意した。
「「「「じゃんけん ポン!」」」」
グー パー パー パー
「「「やっぱり!」」」
3人がハモる。
結果は僕の一人負け
「今 やっぱりって?」
3人は顔を合わせるとアスナが応えた。
「ルドルフさん グーしか出さないじゃないですか。」
「あっ!」
「約束ですからね ルドさん!」
「ルドルフ責任取ってもらうぞ。」
「ズルいぞ。示し合わせたな」
「なんのことですか ねぇ。」
モナが知らん顔で横を見やる。
ドロドロに溶けたアイスを見ると食べる気が起きない。
スプーンが進まないでいると見かねたアスナが僕からスプーンを取り上げる。
「仕方ないなぁ。私達が食べさせてあげますよ。ほら口をあけて下さい。」
アスナがスプーンを僕に促す。
このシチュ 普通なら絶対に羨ましい光景だと思う。普通ならだ。でも今の僕にとっては拷問でしかない。
無理やりアイスを押し込まれアスナが赤ちゃん言葉で僕を褒める。
「よくできましたー。」
後で絶対に絞める。
幼児をあやすような言葉遣いで僕にアイスを食べさせようとしてくるモナ
「はいはーい ルドさん お口あけて下さいね。はいあーん。」
恥ずかしさと満腹が僕の脳を刺激する。
とりあえず モナも後で絞める。
キャッキャしている2人
残っているのは液体のみだ。
さすがにこれは自分で肩つけると思い手を伸ばそうとした瞬間
レイが僕の後ろに回りこみ強引に口をあけさせられ器を押し込む。
ドロドロとした冷たい液体が胃を襲い胃酸が逆流しそうになるのをレイが思いっきり口を押さえつけ何とか醜態をさらさずにすんだ。
まさに死ぬかと思った15秒
僕達の胃が落ち着くまで15分程は要しただろうか。
その後は足湯を堪能し縁日で騒ぎ風呂にまた入って大東京温泉物語を出た。
新庄が全額僕らの分まで支払いしてくれたことで手持ち残高が減らずに済んだのはラッキーだったが額面を見ると日本の物価はなかなかだと思う。
僕達は大東京温泉物語を遊びつくし新庄が手配した車で爆睡するのであった。