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「レイさん お名前出してしまって大丈夫でしたよね?」
「構わないさ。日本国に私の存在が露見したのだ。ただ私自身、気になるのは事が大きくなりすぎていることだ。確かにモナは見せかけにしろイスアラ王国の弱みを握っているとはいえ彼らにとってはそこまで大きな事ではないはずだ。なら静観していれば良いが他国に姫の存在を明かし積極的にアプローチをかけさせている。少し不思議で仕方がないのだよ。」
「例えばですが王女としての既成事実を作っておけば私から人身売買事件が暴露されたとしても身内からの暴露で済み王室へのダメージは軽減できるといったダメージコントロールという側面はどうでしょうか?」
「本物のプリンセスという可能性はどうだ?」
「レイさんも知っているでしょ。私、貧しい農村出身ですよ。」
「でもお前、育ての親と産みの親 違うじゃないか。」