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「ルドルフ 通常、異世界への移動は人生で1回のみの片道切符だ お前はスキルで可能だが他はダメだ 穂乃果は常に転生しているから本来はダメだが私のお陰で転生が許されていることを忘れるな 忘れるなよ 転生人は特別な能力を発現する故の代償だ 転生人の高森穂乃果が何故、お前とコミュニケーションが取れた?それは言語翻訳のスキルを既に得ているからだ それゆえお前に与えたチートは使い方を誤れば国のパワーバランスをも崩す原因ともなる 考えてみろいくら魔法が発達したからといって言語を巧みに使える魔法がお前の世界にあるか?ないだろ 魔法にも限界がある むやみに人間を転生はしてはならんぞ」
「何故、僕にスキルを与えたんだよ?」
「そんなの簡単だ 私の気まぐれだ そっちの方が面白いと思ったからだしな ほれそろそろ異世界旅行の始まりだ せいぜい死なないように楽しんでくれ ではまた会おう 私は寝る くれぐれも起こさないでくれよな」
そう言い終えると覆っていた白い霧がどんどん晴れていく。
守護精霊レイが僕の中にいる。リンクが切れたのか今はそんな感じがまったくしない。
いろいろ分からない事があるがとりあえずは目先の仕事だ。
これが僕の人生を変える出会い 僕の新たな人生の1ページにあるなんてその時は全く思っていなかった。