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「そんなことも出来ないの?」
そんなこともできないのってさすがパワハラ女王様 僕の心を容赦なくえぐるぜ。
アスナが笑顔を張り付けてすぐさまフォローを入れてくれる。
「精霊界では基本中の基本でも地上界ではそもそもスキルなんてありませんから。」
レイは僕をみつめて胸を張りながら得意気だ。
「そうか。では私がお手本を見せてやろう。」
レイはモナの頭に手をのせ目を閉じた。
人前なのに大丈夫なのか そんな事してと思うがレイなら大丈夫だろう。
数秒だった。
「よし 終わった。モナ これで日本語だけ完璧だ。もし必要なくなったらアンチスペルを使え。頭の中にインプットしておいたからな。」
「ありがとうございます。レイさん」
「先輩 さすが。数秒でインプットまで済ますなんて。」
アスナが驚嘆しているが僕にはさっぱりだ。
「レイ 僕 全然、分からなかったんだけど。」
「分かったら大したものだ。出来ることは教えたんだ。自分で練習しろ。」
もう「はい」としか言えなかった。