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当然、僕は彼女に謝られる事をされた覚えはない。
むしろ感謝しかないのだから全く状況が不明だ。
モナも察してくれたのか僕の言葉を待つことなく話、続けた。
「えっとね。移動魔法 使えなくなっちゃった。」
「どゆことですか?僕の存在意義が!」
「私達は今、監視対象になっているのは分かるよね?だから変に移動魔法を使うと、もしバレた時のタイムラグが説明出来なくなって面倒なことになっちゃうの。」
なるほど。僕の唯一の強み 特技が封じられたということか。
「石垣島と黒川温泉に行きたかったけど自力で行くしかないのか。」
モナは頭が良いからとても申し訳ないと感じているのだろうが僕としては、ゆっくり旅が出来るのあるし特段、気にする事ではない。
「本当にごめんなさい。」
「いいよ。それはそれで楽しそうじゃない?だってまだこの世界にいる必要があるのだからさ」
「やめてよ。でもありがとう。」
モナの頬は少し赤みがましていたけど弾ける笑顔が眩しかった。
モナとの奇妙な旅が始まる。楽しい旅行になるといいなとしかこの時の僕は考えていなかった。