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国防委員会委員長 モリソン
イスアラ王国 国防委員長モリソンは第2王妃サーラの父であり鉱山資源を有する男だ。
奴隷村の供給元になっていることもあり繋がりが深くイスアラ王国の権力を掌握するひとり。
シャリーフ参事官の顔つきが一瞬、険しくなった。
「なるほど。何が望みですか?」
「私と同行者2人の身分の保障と長期在留許可証の発行に尽力して頂きたい。」
「分かりました。叶えましょう。」
「簡単に承諾しますね。疑わないのですか?」
「奴隷の集団脱走があった旨は担当部署から確認しております。 その脱走した村との符合、そして情報の合点とくれば疑う余地はありません。あなたは何者ですか?」
「知らないことがお互いの為だと思いませんか?私は身分が欲しい。あなた方は情報を塞いでおきたい。利害の一致かと。」
「我々としては情報源や証拠類など場合によっては金銭回収したいと考えておりますがいかがでしょうか?」
「ありがたいですが私達の身の保全の為、申出は遠慮させて頂きたい。もし我々に何かがあればどうなるかはご想像にお任せ致します。」
まだ気を抜いてはダメだ。手が汗ばんでいる。油断は出来ない。
「モナ殿 解放した奴隷の名前はご存知でしょうか?」
【アスナさん 解放した子供達の名前って分かりますか?】
【高森一穂ちゃんだよ。】
「たくさんいすぎて誰を指しているのか見当もつかないのですがシャリーフ参事官」
「日本人が含まれていたはずです モナ殿はそれで日本にお越しではないのでしょうか?」
「確かに日本人を解放しましたがそれ以上は私からはなんとも。KTとだけ申しておきます。」
「情報流出の可能性は?」
「貴方方次第ですがその点も極秘情報なもので、ただ日本人が商品として流れてくるなんて珍しい。日本政府や駐日大使なら欲しい情報かと思われるが。」
「彼女の生存は?」
「我々が保障します。」
「日本国帰還の目途は?」
「不明です。ただこの件は貴方と綿密に連絡を取って決める事を約束しましょう。」
「外交世界の約束の意味を?」
「腹の探り合いですよ。ストローク大使」