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先程の優しい口調が嘘のようにきっぱりと拒否された。
「申し訳ございませんが出来ません。」
想定の範囲内だ。でも私には武器がある。
「なら逮捕してください。 そうすればウィーン条約で私は大使館に面接の要請が出来ることになります。脅すようで申し訳ないのですが、その場合外交問題と発展する場合がございますがよろしいでしょうか?」
私を舐めるように彼女は見渡した。彼女が考えこみ口調を緩める。
「分かりました。上層部に確認致します。許可が出ましたら大使館にご連絡差し上げます。何か渡すもの伝えるものがありましたら言付を賜ります。」