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宇奈月探偵シリーズ

乗り物大好き宇奈月探偵-4。複数の爆弾とゲーム感覚の犯人。

作者: 隧道坂 燈

宇奈月啓太と益海はターミナル駅にいた。

宇奈月啓太は「益海の方から、滋賀に行きたいなんて言うんだから驚いたよ」と益海に言う。

益海は「別に依頼も無いし、暇だし…。写真映えするところでパソコンしてインスタントグラムに載せるのよ」と言った。

そして、そっち方面の快速列車を待っているときだった。

とてつもない爆発音が聞こえた。

益海と啓太はとっさに伏せた。

啓太は爆発音がした方を見た。

21X-50XXが激しく炎上していた。

啓太は「燃え方が激しい…。素人じゃ無いな…」と呟いた。

益海が「ホームに女の子が居るわ!!!」と叫ぶ。

しかし、誰も動かない。

啓太は益海に「行ってくる!!!」と言って階段を掛けて、隣の番線へと行った。

その子は電車に向かって「ママー!!!」と叫んでいた。

宇奈月啓太は「ここは危険だから、僕と一緒に改札へ行きましょう」と言い、半ば強引に駅員の居る改札口に行き「電車の前でママ、ママと泣き叫んでいました。保護お願いします」と女の子を預けて、益海の元へ戻った。

益海は残念そうに「今日はしばらく、米原方面も運休だって…」と呟いた。

啓太は「あぁ、そうか…」と呟いた。

啓太は「それなら、残念だけど…。今日の旅程は中止だな…」と言った。

どうせしばらくは電車はどっちの方面も動かないだろうし、啓太は捜査に首を突っ込むことにする。

益海は暇なので駅でSNSをしていた。

益海は興味深い投稿を見つけた。

その様子を見ていた啓太は益海に聞く。「なんか、見つけたか?」

益海は魚拓を撮った投稿を見せて「今回の爆破予告とも取れない?」と言う。

啓太は「どこからの投稿だ?」と聞く。

益海は「海外のサーバーを経由している程度しか分からなかったわ…」と答えた。

宇奈月啓太は優秀な部下で優秀な奥さんを持てて良かったとも思った。



しばらくして、啓太の助けた少女が爆発で身寄りが無くなったと聞かされた。

そして、啓太達に引き取らないか。

そういう話が出された。

宇奈月啓太は電話口で「益海に聞かないとダメですね」と言い隣に居る益海に言う。

「あの時の少女。引き取ろうと思っているけど…。益海はどう思う?」

益海は冷めた表情で「いいと思うわ…」と答えた。

益海は慌て顔で、啓太に言う。「この前と、同じユーザーから次の爆破予告があったわ!!!」と言った。

次は旅客機であった。

便名や機種まで詳細に書いてあったので調べると、啓太の伯父がその飛行機に乗ると言っていた事を思い出した。

宇奈月啓太は知り合いの刑事の私用携帯に連絡をする。


そして、伯父が飛行機に乗る日になった。

知り合いの刑事と空港へ向かった。

その道中知り合いの刑事、吾妻は言う。「なぁ、啓太。刑事をやめてからの方がイキイキしてないか?」

宇奈月啓太は「そんなこと無いですよ」と笑って言う。

吾妻は「なぁ、啓太。お前、刑事の頃より事件に巻き込まれてないか?」と言う。

宇奈月啓太は「そうですね…」と苦笑いをするしか無かった。

そんな会話を交わすうちに空港に着いた。

空港では乗客などがパニックにならないように、慎重を極めながら怪しい荷物や人物を探した。

事前に航空会社にも連絡をしていたので、全面協力が得られた。

「預け荷物には異常が無かった」と啓太は吾妻から聞いた。

後は乗客の手荷物だけだった。

しかし、そこからも怪しいモノは見つからなかった。

爆破予告のあった便は何事も無く空港を飛び去った。

そして、啓太達は車へ戻った。

その時だった、吾妻の携帯に電話が掛かってきた。

爆破予告のあった便の一便後の飛行機が離陸直後に消息を絶ったとの連絡だった。

宇奈月啓太は自分の膝強く叩き言う。「してやれた!!!」

その時、益海から電話が入る。

宇奈月啓太は「どうした?益海」と訊ねる。

益海は言う。「怪しいメールが来たわ。転送する」

すぐにそのメールのスクリーンショットが送られてきた。

「あの女の子を引き取ることにした君に告ぐ。今度はもっと大きな獲物を爆破する」との予告文だった。

宇奈月啓太は隣に乗っている知り合いの刑事、吾妻にもそれを見せた。


吾妻は「まるで挑戦状ですね…」と言った。


次の日、公用車が白昼堂々何者かに爆破される事件が起きた。

次の日も次の日も1台ずつ要人用公用車が爆破されるのであった。

多くの運転士が爆死することになり、上層部もいらだちを隠せないと知り合いの刑事。

吾妻は言っていた。

益海は犯人のPCなどを突き止めようと、あらゆる手を使うが…。

犯人の手がかりは掴めない。



益海は電車の中でWi-Fiを使っているときだった。

益海のPCに怪しいメッセージが入った。

その怪しいメッセージは犯人しか知り得ないハズの爆薬の調合の具合などが書いてあった。

益海は犯人が近くに居て挑発をしてきたと思った。

怪しいメッセージのスクリーンショットを啓太に送った。

宇奈月啓太は知り合いの刑事にそれを送って真偽のほどを確かめさせた。

益海は電車の中で犯人を捜そうとする。

しかし、見つからないまま降りる駅が来てしまった。

益海は仕方なく、とりあえず降車をした。

そして駅前の広場で深呼吸をした。

その直後、駅を発車したばかりの急行列車が爆破されて、屋根が吹き飛んだ。

益海は驚いて、立ちすくむことしか出来なかった。

宇奈月啓太は嫌な予感がした。

なので、益海に電話を掛けた。

益海は動揺した声で、「目の前で電車が爆破されたの…」と言った。

宇奈月啓太は慌てて、益海を車で迎えに行った。

益海は啓太の姿を見つけると、事件がよほどショックだったのだろう、泣き出してしまった。

そして、宇奈月啓太の携帯電話に届く犯行声明文。

宇奈月啓太は「クソ!!!」と地面を蹴っ飛ばした。

宇奈月啓太には目的が分からなかった。

狙う場所にしても、一貫性が無い。

最初は鉄道を狙った思ったら、次は航空機で次は公用車。

そしてまた鉄道である。

宇奈月啓太の中で仮説が出来た。

犯人は知能が高くて愉快犯である。

そう言う仮説だった。

犯人は今回の事件をゲームのように楽しんでいる。

宇奈月啓太はそう感じた。

宇奈月啓太は犯人にこう呼びかけた。

「ゲームをしよう」

犯人側は「面白そうね。条件はどうする?」と返答があった。

宇奈月啓太は犯人側が勝利すれば、自分の体を犯人に差し出すと言った。

犯人は宇奈月啓太が勝利すれば、警察に出頭すると約束をしてくれた。

犯人は対決の内容を爆弾の起爆解除でと言ってきた。

爆弾処理班の投入は禁止で、爆弾は殺傷能力のないものを使用すると言った。

そして、素人である啓太のことを気遣ってか、回路図を同封してくれると言った。

三回勝負で一回でも解除が成功したら、啓太の勝ちだと言ってくれた。



次の日、怪しい荷物が宇奈月の事務所に届いた。

差出人は書いてなかった。

宇奈月啓太は順番に1台ずつ取り出した。

そして、回路図に従って配線を順番に切っていた。

しかし、突然16セグメントディスプレイが割れて、おもちゃのアヒルが飛び出して顔に当たる。

失敗だった。

2台目も同じように失敗をした。

最後の1台だった。

前の2台と違って実際に爆発しそうな雰囲気を醸し出していた。

他の2台より一層慎重に配線を切っていく。

すると、突然16セグメントディスプレイにCLEARと表示されて電源が落ちた。

宇奈月啓太は少し、安心をした。

すると、事務所のドアを開けて髪の長い清楚な女性が入ってきた。

とても爆弾犯には思えなかった。

宇奈月啓太は聞く。

「どちら様ですか?」

その女性は「十握遥です。私が例の爆弾を作った犯人です」と何故か微笑んだ。

十握遥は「君には負けたわよ…。その足で警察に連れて行ってよ…」と言った。

宇奈月啓太は知り合いの刑事を事務所に呼んだ。

吾妻は事務所に入るなり言う。「浮気か?」

宇奈月啓太はそれを全力で否定をする。「違うわ!!!!」

宇奈月啓太は「メールで説明したとおりだから…」と言う。

吾妻は半信半疑だったが、十握遥を連れていった。


しかし、同じ配合の爆薬を使った爆破事件が今度は地下鉄で起きた。


十握遥は言う。「本番はこれからですわ」

そして、十握遥は「ゲリラの科学者に材料と作り方をそっくりそのまま譲り渡したのよ」と自供した。

その後、ゲリラは頻繁に爆弾テロを何度も実行する。

警察はそのたび怪しいと思われる場所を家宅捜索をするが、その時にはもぬけの空になっている事がほとんどだった。

その所為で幾度もの爆弾テロを許してしまう。


しかし、地下鉄ばかり狙われるので地下鉄では厳戒態勢が敷かれるようになった。

しかし残業の増えた地下鉄は職員はストライキを実施して、市営の地下鉄は止まってしまった。


その後、何故か自爆テロという形で例のゲリラはストライキが終わったばかりの地下鉄車両を爆破した。

しかし、その自爆した女性の遺留品から直近のアジトがバレる。

それにより摘発が芋づる式に進んでいった。

宇奈月啓太は新聞を読んでいて、その事を不思議に思った。

何故あのタイミングで、自爆テロに切り替えたのか、それさえ無ければ芋づる式でゲリラが捕まることは無かった。

啓太は拘置所の十握遥に会いに行く。

十握遥は言う。「ゲリラが壊滅したんでしょ?」

宇奈月啓太は「どうして、それが分かった…」と言う。

十握遥は続けて「自爆した女性は科学者のあの子でしょ?」と言った。

宇奈月啓太は「何故それを…」としか、答えられなかった。

十握遥は「いずれ組織に逆らって自爆すると思ったのよね?だから技術を提供したのよね?」と何故か笑顔を見せた。

そして、十握遥は悲しそうな目をして「あの子、同じニオイがしたの。同族な気がしたの。だから支援したまでよ」と答えた。

十握遥は言う。「あなたとなら、腹を割って話せそうなのよね?私がここを出たら結婚しない?」

宇奈月啓太は「僕には妻子が居ますので…」と言う。

十握遥は「私は本気よ…」と言う。

宇奈月啓太は「では、事務所に妻と子供が待っていますので…僕はこれで」と言い面会室から出ようとする。

十握遥は「もう帰っちゃうの?残念…。次も私と遊んでくれない?」と言った。


それから、しばらくしたある日だった。

十握遥は首を吊って死んだ。

遺書は無かった。


宇奈月啓太はこの自殺はおかしいと感じた。

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