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婚約破棄されたうえ取り巻きからも嫌みなことを言われたので、術で復讐します。

「貴様のような女とはやっていけん! 俺の相手はもっと麗しい人でなくては――よって、婚約は破棄とする!!」


 婚約者ドルフェはいきなりそんなことを告げてきた。


 また、その取り巻きの女性たちも。


「そうよ! アンタみたいなのはアタシらより下の階級がお似合いよ!」

「気味悪い噂もあるしね!」

「存在も消えてほしいですわね」

「うっ、ほっ、うっ、ほっ、うぉほほっ! (ドルフェ様に相応しくないから今すぐ消えなお嬢ちゃん)」


 ここぞとばかりに嫌みなことを言ってくる。


 彼女らは前々から悔しがっていた。

 自分たちという存在がありながら私がドルフェと婚約したから。


 ドルフェとの婚約後も、彼女たちはいつも虐めてきていた。


 私が消える。

 私が婚約破棄される。


 きっと、彼女らにとってはとても嬉しい瞬間だろう。


「そういうことで、さらば」

「本気……なのですね」

「当たり前だろう! 俺は本気なことしか言わない!」

「分かりました」


 取り巻きはずっとにやにやしていた。


 悔しさはあるが――ここは大人しく消えよう。



 ◆



 その後私はあの人たちに小さな復讐をすることにした。


 これまでいろんな形で嫌がらせされてきたから。


「おっとれしょっこいおっはいはい! おっとれしょっこいおっはいはい! おっとれしょころんおはいはい! おっはははいほいとりゃといほい!」


 これはおかしなダンスのようだ。

 けれども本当はそうじゃない。

 これは復讐のための一種の儀式なのだ。


「おっとゆょっこいおっはいはい! はいほいほれほれはいほれほい! ほいそれしょっ、はいとれしょっしょ! ほいはいほいはいほれしょれほしょれはい! はいっ、とれっ、とれぅれしょ! おっとれしょっこいおっはいはい! おっとれしょっおっはいはい! おっとれほしょれいしょっこいおっはいはい! おっとれしょっこいおっはいほい!」


 儀式を始めたその日の晩、ドルフェは謎の死を遂げた。


 死後解剖したところ、彼の心臓付近には、大量のできものができていたそうだ。それによって心臓内の血管が詰まったか何かで生命維持できなくなった、ということだったようだ。


「おおおおおおおおおおっとれ! しょっこい! おっはい! ほれほれほれほれしょれしょしょしょっしんとれほいほい! おっはい! おっはい! おっしょれしょれ!」


 そして、取り巻きの女性たちも、あの後一週間ほどで残念な目に遭ったそうだ。


 一人は、顔中に得体のしれない人面模様のできものが発生。

 一人は、足の指が急激に肥大化して痛くて歩けなくなる。

 一人は、朝起きたらごりらになっている。

 一人は、朝起きたら急に吐き気に襲われ急死。


「おっとれしょっこいおっはいはい! おっとれしょっこいおっはい! しょうしょしょしょれしょしょしょしょしょしょしょう! おは! おは! おはぁははっははおれおれ! おっれれおれいれ! おっとれしょっこいおっはいはい!」



 ◆



 あれから数年。

 私はある時路上で出会った王子に見初められ、彼と結ばれた。


 意外なことではあったけれど。

 でも今はそれもまた人生と思っているし。


 だから私はこの道を進む。


 ただひたすら、真っ直ぐに、どこまでも――。



◆終わり◆

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