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だからこそ 魔法をかけたの
詩のような作品です。
壊してあげたい
彼を奪った
あの紅を塗りたくった女
どうしても憎いの
潰してあげたい
婚約を破棄させた
あの青い瞼の女
どうしても憎いから
愛する人を奪われた苦しみは
いつまでも消えない
私が生きている限り永久に
その苦しみは生き残る
あの女が彼と共に幸せになっても
きっと私は傷ついたまま
けれどね
だからこそ
魔法をかけたの
それは
結ばれた二人が幸福を享受できない魔法
これから二人は悲劇に見舞われ
共にあっても
幸福の海は泳げない
それは決められたこと
それが魔法だから
破滅へと向かう
二人には時計がある
それは
終焉への時を数えるもの
終焉までの時を刻むもの




