婚約破棄されてイライラするので、くせがあるけれど可愛い妹と全力で遊びます!
「おまえは性格がゴミ! てことで、婚約は破棄! そういうことだから」
婚約者ブルポンはそう言って私との関係を終わらせた。
あまりにも勝手。
一方的にもほどがある。
しかも暴言に近いようなことを言いながら婚約破棄するのだから、なおさら質が悪い。
言われる方の気持ちは想像しないのか?
傷つくと分からないのか?
とはいえ、もう終わってしまった事実は変わらない。
だから彼には何も求めない。
私は私として楽しく生きる。
「あっそぶぞおおおおーっ!!」
帰り道、馬車の中で叫んだ。
◆
「ねーさまを切り捨てるなんて酷いのだす」
私には可愛い妹がいる。彼女は三つ年下だ。親が再婚したこともあって彼女は腹違いの妹、でも大好き。そして、彼女もまた、私のことを好んでくれている。少々くせの強い娘だが、性格は悪くない。
「許せんのだす」
「ありがとう怒ってくれて」
「怒りマックスーパー炸裂拳を食らわすだす」
「それは駄目……」
母が違うなんてどうでもいいこと。
私たちの関係はそんなくらいでは壊れない。
「イライラを発散したいの」
「おす! 殴り合うだすか?」
「暴力は嫌いよ」
「でばでば! 例の遊び?」
「そうしましょ」
こういう、とにかく時間を潰したい時には……あの遊びがもってこいだろう。
◆
婚約破棄された日から二年、妹との『しりとり』は今も続いている。
ちなみにこの『しりとり』というのは、遥か東にある島国でよく行われているものらしい。最後の文字から始まる単語を言う、それを交互に繰り返す。そういう言葉を使った遊びの一種である。
私と妹は昔からこれが好きで、よくしている。
続く時には数年続くこともある。
「にんにく、だす」
「くさび」
「びびり、だす」
「利口」
今回もかなり長続きしている部類だろう。
「でばでば! 馬小屋!」
「薬草」
「海の幸、だす」
私は「美味しそうね」と感想を言う、それに対して妹は照れながら「ねーさまにそう言ってもらえると、胸がドキドキ、嬉しいんだす」などと返してくる。
「ちりめんじゃこ」
「コルク、だす」
「車」
「でば、満月、で!」
「積み木」
ちなみにブルポンはというと、私との婚約を破棄した翌日に妹の手で葬られた。
彼女は「話したいことがあって……」と言い湖の畔へ彼を呼び出した。で、そこで罰を与えた。彼はその場から動けなくなり、やがて亡くなったそうだ。
話を聞けば恐ろしいが……妹が可愛いことに変わりはない。
◆終わり◆




