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さくっと読める? 異世界恋愛系短編集 2 (2022.3~12)  作者: 四季


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女遊びが酷い婚約者が婚約破棄を告げてきましたので応じることにしました、私としてもさっさと離れたいからです。

 婚約者の青年ローズレイトは私と婚約しているにもかかわらず他の女性と遊んでばかりだった。そしてこちらがそれについて意見を述べると激怒。捨てるぞ、とか、別れるぞ、とか言って陳腐な脅し文句を並べる。そんな状態だったので、私は内心ずっと、彼と離れたいと思っていて。


「お前との婚約は本日をもって破棄とするッ!!」


 だから、ローズレイトからそう宣言された時、嬉しさを感じた。


 彼の方から言ってもらえるならこちらとしてはありがたい。

 こちらから言おうと思ったら勇気がいるから。


「そうですか、分かりました。では……さようなら」


 婚約破棄は受け入れる。

 だってそれが私の望みでもあるから。


 さらりと去ろうとする私を見た彼は驚いた顔をしていたけれど、私は彼の目を見ることはしなかった。


 もう終わった関係なのだ。

 今さら彼のことを気になんてしない。



 ◆



「我らが女神様!」

「素晴らしき女神!」

「こっち向いってぇーッ!!」

「女神さま好きぃ!!」


 あれから一年半、私は、女神と呼ばれ皆から称賛されるようになった。


 事の始まり。

 それは、この身に特別な能力が宿っていることが判明したこと。


 そこからすべてが始まった。


 国全域に防御壁を張ることができる能力――それが判明したために私は一躍特別な女性となったのである。そして、国王の希望もあって、第一王子であるリッチと結婚。今は、未来の王であるリッチの妻でありながら国を護る特別な力を持った女性として、人々から愛されている――今年一番目立った人賞も受賞したほどに。


 能力の発見により、人生は一変した。


 けれども私は威張ったりはしないようにしようと心を決め日々気をつけて生きている。


 自然と多くの人たちから敬われるからこそ、勘違いせず、謙虚に慎ましくしていなくては――そう思っている。


 ちなみにローズレイトはというと、私とリッチ王子の成婚パレードの際に危険物を持ち込もうとしたために警備隊に拘束され、その危険な思想ゆえに最悪ランクの危険人物と認定され、数週間後に事故死に見せかけつつ処刑された。


 彼はもう女遊びすることさえ叶わない。

 この世に生きていないから。

 余計なことをしなければまだまだ好きに女漁りもできただろうに。



◆終わり◆

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