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さくっと読める? 異世界恋愛系短編集 2 (2022.3~12)  作者: 四季


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婚約破棄を告げられ、心は砕かれた硝子のように……。

「貴様とはもう終わりとする。婚約は破棄だ」


 告げられた瞬間、見ていた世界が白黒になってしまった。


 貴方といた日々はとても楽しくて。

 それまでとは違う世界で息をしているかのようで。

 いつだって心が弾んでいた。


 でも――貴方に終わりを告げられたら、もう、あの美しく鮮やかだった世界は戻らない。


 硝子が割れるように。

 この心は粉になって。

 直すことも戻すこともできないほどに砕かれてしまった。


 吹き抜ける風も、今はもう、心躍らせることはなく。

 むしろ切なさを掻き立てる。

 髪が揺れるたび、服の裾がなびくたび、鮮やかだったあの頃を思い出してしまって泣きそうになる。


 貴方に出会って知った幸せ。

 貴方に出会って変わった世界の色。


 そのどちらも、もう、決して戻りはしない。


 白黒、無色、そんな世界で息をする。


 どこまでも虚しくて――。


 それでも生きている。

 呼吸は止まらない。

 時もまた刻まれてゆく。



◆終わり◆

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