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湖に浮かぶたった一つの月
詩のような作品です。
湖に浮かぶたった一つの月
今も時折見に行っては
一人寂しく誰にも知られず
涙を水面に落とす
愛していた貴方と
婚約者だった貴方と
いつも見ていた
大好きだったそれは
もう二度と貴方とは見られない
だってもう過去になってしまった
貴方は私を捨てたから
私は貴方と共には生きてゆけない
それでも忘れられないものもあって
だから
幸せだったあの頃を
幸せだったあの日々を
ふと思い出すこともある
湖に浮かぶたった一つの月
今も時折見に行っては
一人寂しく誰にも知られず
涙を水面に落とす
貴方はもう私の傍にいない
その道を選んだのは貴方
せめて貴方の選択でなければ
せめて誰かからの強制であったなら
まだ救いがあったのに
まだ救われたのに




