表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
さくっと読める? 異世界恋愛系短編集 2 (2022.3~12)  作者: 四季


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

759/1194

貴方を愛している。誰よりも、何よりも。だからこそ、婚約破棄されるくらいなら貴方を今ここで――。

 私は婚約者エッフェルを愛している。


 海より深く。

 天より高く。


 愛は何よりも大きく果てしない。


 彼のためなら死ぬことだって怖くはない。

 彼のためなら何だってできる。


 彼が傍にいてくれる限り、何でも――。


「君より妹さんのほうがずっと可愛いよ! だから君との婚約は破棄する! いいね? あーあ、もっと早く妹さんの可愛らしさに気づいていればなぁ、そうすれば君なんかと婚約せずに済んだのに」


 希望は断ち切られた。


「しっかし、姉妹で本当に別人だよな。別の家の女みたいだよ」


 エッフェルは私を愛さなかった。いや、それだけならまだ良かった。愛し合っていない夫婦だっているから。たとえ永遠に愛されずとも、私は彼を愛し続ける。その自信はあった。


 でも彼は――私の妹を気に入っていた。


「そうね、あの子はいい子よ……」


 妹のことは嫌いではない。

 でももう愛せない。

 愛も、憎しみも、混ざり過ぎた。


「けれど、貴方があの子のものになるのは嫌」


 共にあれないなら、ここですべてを終わりにする。


 私は突き立てた。

 飾り物の剣を、目の前の彼へ。


「これで貴方は永遠に私のもの」


 彼の死を目に焼き付け、私は旅立つ。


 あてなどなく。

 それでも世界へ足を進める。


 もう清き道へは戻れない。


 けれどもそれで構わない。



◆終わり◆

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ