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さくっと読める? 異世界恋愛系短編集 2 (2022.3~12)  作者: 四季


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動物が好きだったのですが、それを理由に婚約破棄されてしまいました。けれども私は進みます。いつまでも立ち止まってはいられません。

「あんたみたいな動物ばっかり触ってるやつ! きたねーよ! 我慢してきたがもう無理だ、こんなくそみたいな婚約なんか……破棄してやる!」


 動物好きだった。

 幼い頃から。

 人とはまた違った生き物と触れ合うのが楽しかった。


 でも、そのせいで、婚約者リツールから婚約破棄を告げられてしまった。


 終わった――。


 心が崩れてゆく。

 何もかもが失われてゆく。


 痛く。

 辛く。

 けれども動物好きは事実なのでどうしようもなく。


「……はい」


 私はただ彼の前から去るしかなかった。



 ◆



 あれから十数年が経った。


 私は今動物園の園長をしている。


 毎日とても忙しい。

 でも動物を近くで見ていられる日々は幸福そのものだ。


 展示される動物への負担が少しでも小さいように――それがこの園のコンセプトだ。


 私がゆくゆく結婚するのかはまだ分からない。でも今はこの仕事を続けていたいと思っている、それは確かだ。だから先のことはそこまで考えず日々動き続けている。やりたいことをできている、そのありがたさを忘れずに。私はただひらすらに前を向いて進む。


 ちなみにリツールはというと、今はもうこの世にいないらしい。


 失恋の悲しさで酒を大量に飲み急死したのだそうだ。



◆終わり◆

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