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ごみ屋敷令嬢と侮辱されていた私ですが幸せになることはできました。人生とは分からないものですね。

 私、モニネーリア・フォッフォは、正直あまり美しくない。


 自分でも美しくない感覚がある。

 できるならもっと美しく生まれたかった。


 とはいえ、自分なりにまっとうに生きてきたつもりだし、迷惑をかけるようなことはしないようできる限り気をつけてきたつもりだ。


 しかし婚約者ブルからは嫌われていて。


 彼はいつも私に酷いことを言う。彼は私の顔を見るたびに「ごみ屋敷令嬢だな、相変わらず」などと言ってくるのだ。これは、美人でないという自覚がある私からしても、不愉快と言わざるを得ない。思うのは自由だがわざわざ言う必要はないと思うのだ。


 そんな、ある日。


「モニネーリア、やはりお前と生きるのは無理だ。よって、婚約は破棄とする」


 ブルからそう告げられた。


 いつかはこうなる気がしていたので正直あまり驚かなかったけれど。


「お前のような女との間に子を設けるのは嫌だ、俺の遺伝子が穢れる」

「そうですか」

「そういうことだから、大人しく去ってくれな」

「そうですね、分かりました」


 こうしてブルには捨てられてしまった。


 しかしその直後良い機会が待っていて。

 とある茶会で出会った青年に見初められたのだ。


「同じような女性ばかりがたかってきて疲れていたんだ。君みたいな人を望んでいたんだよ、顔と胸だけが売りじゃない女性」


 私はあっという間に彼との距離を縮めた。


 何も無理をしたわけではない。

 自然とそうなっていったのだ。



 ◆



 出会いから三年半、私は、茶会で出会った彼と結婚した。


 彼の家は歴史ある金庫屋。しかしプライドばかりが高い良家とは違っていて。彼もそうだが、彼の親や周囲も、心の広い人が多かった。そのため、いきなり現れた存在とも言える私のことも温かく受け入れてくれて。むしろ歓迎してくれた。


 特に彼の母親は優しい人で、会うたびに「うちに嫁に来てくれてありがとう、嬉しいわ」と言って抱き締めてくれる。


 あぁ、もう、泣きそう。


 で、彼との関係も良い状態を保てている。


 これから困難はあるだろうけれど、それも、彼となら越えていける気がする。


 きっと大丈夫だ。


 ちなみに元婚約者のブルはというと、あれから見合いを繰り返すもなかなか話がまとまらず、今も結婚の話は発生していないらしい。それに加えて前の婚約者を虐めていたという話がどこからか流れ、それもまた多くの女性から拒否されてしまう理由となっているようだ。



◆終わり◆

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