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さくっと読める? 異世界恋愛系短編集 2 (2022.3~12)  作者: 四季


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一度は死のうとした私でしたが、幸せになれました。今はもう、死を望みません。むしろこれからも夫と共に幸せに生きていきたいです。

「君のことはもう愛せない」


 告げられた言葉はあまりに冷ややかで。


「婚約は破棄する」


 私の胸を貫いた。

 言葉という、ひとふりの剣。



 ◆



 早いもので、あの婚約破棄から十年が経った。


 愛していた人に捨てられたあの日、私はこの命を捨てようとした。

 けれどもそれは叶わず。

 たまたま通りかかった一人の青年によって制止され、私はこの世に留まらなくてはならないこととなった。


「ほら、言ってたケーキ! 買ってきたよ」


 その青年が、私の今の夫だ。


 色々あって私たちは結婚した。

 あんな形での出会いではあったけれど、今は二人穏やかに暮らしている。


「あ!」


 少しかえるのような顔立ちの彼。

 でもとても心優しく。

 どんな時も思いやりがある。


 それに、実はその顔立ちも好きなのだ。


 私の好みにははまっている。


「食べたいって言ってたよね」

「そ、そうなの。気になっていたの、実は。でも……どうして?」

「食べさせたいなーって思って」

「いいの……?」

「もちろん! 妻には笑っていてほしいって、誰も思うでしょ」

「そう……嬉しい、ありがとう本当に」


 ちなみに、かつて私を捨てた彼は、あの後別の女性と結婚するも自宅で賊に襲われ殺められたそうだ。


 これは知人ルートで得た情報である。


「じゃあお茶を淹れるわ」

「ありがとう~」

「ああ嬉しい、わくわくするわ。食べてみたかったの……かえるケーキ」



◆終わり◆

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