表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
さくっと読める? 異世界恋愛系短編集 2 (2022.3~12)  作者: 四季


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

725/1194

威張っていた妹が婚約破棄されたのであれこれ言ってやります。~悪女でも良いのです~

 妹リリーは昔から私を見下していた。

 彼女はいつだって自分を可愛いと思っていて自信を持っている。

 そして私を下の者として扱う。


「お姉様、ほーんと地味ですわよねぇ。殿方からもてないはずですわね!」


 こんなことを言われるのはまだ可愛いもので。


「お姉様が姉で恥をかきますわ、なるべく出てこないでくださる?」


 と言われたことだって少なくはなかった。


 でも、リリーがそんなことを言っても、誰も注意はしない。親も、周りの大人も、仕方ないことというような顔で流している。私が傷ついていても、その傷には気づいていないふりをするのだ。


 そんなリリーがついに婚約した。

 相手は良家の子息。

 良い相手を手に入れられた彼女はご機嫌だった。


「やはり人気で困ってしまいますわー、うふふ。良い人に見初められてしまいましたわー。彼、見る目がありますわねぇ! ……ま、お姉様じゃどうあがいても無理でしょうね、うふ」


 だが、数週間後、リリーは婚約者から婚約破棄を告げられた。


 婚約者ができてからもリリーは幼馴染みの男性と仲良くしていた、そのことが問題となったようだ。


 婚約破棄された日、彼女は泣いて怒っていた。

 顔を涙やら何やらの汁でぐしゃぐしゃにしていた。

 可愛いとされる顔もそんなではただ汚いだけだ。


「婚約破棄されるなんて……残念だったわね、リリー」

「お姉様」


 私はきっと悪なのだろう。

 傷を抉るような真似をして。


 けれどもそれでも構わない。


 悪女でも、構わない。


「あんなに誇らしげにしていたのに、男と遊んで婚約破棄されるなんて、貴女らしくないんじゃない? ああ、それか、魅力が足りなかったんじゃない? 魅力があれば、きっと、少しくらい見逃してもらえるものでしょう?」「ぐ……」


 これまで散々やられてきたことを返すだけ。


「そんなくらいで捨てられるなんて……もしかしたら貴女も私くらいの魅力しかなかったんじゃない? なんて、冗談よ。でも、きっと、そこまで愛されてはいなかったのでしょうね」

「お、お姉様……この悪女……」

「何とでも言えばいいわ。私はただ、貴女がこれまでしてきたことを返すだけのことよ」

「き、きぃぃぃぃぃぃぃ!! くそ姉のくせに!! 死ね! 死ね! 舐めやがって死ねぇぇぇぇぇぇぇ!!」


 リリーは怒りのあまり精神崩壊した。


 急に暴れ、割った鏡の破片を掴んで私を殺そうとして――結果、治安維持組織に拘束された。


 彼女は牢送りになった。



 ◆



 その後私は実家を出て一人暮らしを始める。

 そしてやがて一人の男性に出会い。

 結婚し苦痛のない暮らしを手に入れることができた。



◆終わり◆

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ