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さくっと読める? 異世界恋愛系短編集 2 (2022.3~12)  作者: 四季


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嘘つき妹はお得意の嘘で王子の婚約者となりましたがその嘘によって身を滅ぼすこととなりました。

 私の妹は嘘つきだ。

 育ってくる過程でも、彼女はことあるごとに嘘をついた。

 それによって私を陥れたことだってある。

 妹の嘘によって私が悪者にされた、そういう経験は数えきれない。


 そんな妹も年頃になり、先日、ビイリエア王子と婚約。


 しかし、彼女はやはり嘘をついていた。


 彼女は己が護る力を聖女であると偽り彼との縁を得たのだ。


「お姉様と違ってあたくしは殿方に愛される才能がありますのよ! だから王子様とだって結婚できますの!」

「へぇ~凄いわね」

「そうでしょう? 誰からも愛されない憐れなお姉様とは女としての階級が違いますわ! うっふふ、分かりまして?」


 妹は勝ち誇った顔でそんな風に話していた。


 どうせ嘘がなければ相手にされていないではないか――思いつつも敢えて言わなかった。

 軽い気持ちでだとしても、そんなことを言ってしまったら、きっとまた激怒され悪者にされてしまうだろうから。


 ――二ヶ月後。


 妹は婚約を破棄された。

 ビイリエア王子に嘘がばれたらしい。


 妹は王族を騙したとして十年以上人権をはく奪されることとなった。

 人権はく奪されたうえ強制労働を求められるらしい。

 一度は自宅へ戻れた彼女だったが、その後、私が見ている前で係の者に拘束されて連れていかれた。


 妹は終わった。



 ◆



 あれから二年半ほどが経ち、私は赤髪の男性と結婚した。


 彼とは共通の趣味がある。

 ガーデニングである。


 金銭的に裕福な彼なので、これからも趣味に打ち込んでゆけそうだ。


 邪魔してくるであろう妹はもういないので安心。

 きっと穏やかに過ごせるはずだ。


 ちなみに――妹は今もまだ人権はく奪された状態で国から求められた労働を強制されているらしい。


 どんなに汚い仕事でも。どんなに尊厳の傷つく仕事でも。拒否は絶対にできないそうだ。普通であればそのような強制は認められないところだろう。だが、人権はく奪されているため、そういうことが認められてしまうようだ。


 嘘が身を滅ぼした。



◆終わり◆

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