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悪いところを大量に言われ婚約破棄されてしまいました――が、直後理解不能なことが起きました。
「お前ってさ、ほーんと駄目な女だよな」
婚約者リリガルンドはそんなことを言ってくる。
「顔もまぁまぁだし、そのくせきっちりしていて身は固いし、俺の誘いに乗ってくれないしご奉仕もしてくれないし……良いところ探す方が難しいくらいだよほんと。それにさ、お付き合いに関しても順序を守ろうとするしさ、そういうところも鬱陶しいんだよ、不快そのものなんだよ。良いところなんてないんだ、せめてもっと積極的に関わりを持とうとしろよ」
彼は舌打ちをしてから。
「てことで、婚約は破棄な」
そう宣言した――瞬間、空から星が降り注ぎ。
リリガルンドの家は崩壊。
火に包まれ。
彼は瓦礫の下敷きになって落命した。
◆
あれから数年、私はめでたく良家の子息と結婚することができた。
あの星降り注ぎ事件の時は死んでしまうかと思ったけれど、私は驚くくらい軽傷で済んだ。
おかげで幸せな今がある。
◆終わり◆




