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さくっと読める? 異世界恋愛系短編集 2 (2022.3~12)  作者: 四季


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仕事ばかりに熱心な女は最悪と言われ、婚約破棄されました。が、今は理解ある夫のおかげで日々楽しく働けています。

 婚約者レイブン。

 彼と私が出会ったのは今から数年前。

 当時の私たちは少し言葉を交わしたことをきっかけとして仲良くなり、それから、時折ではあるが交流するようになっていって――そして婚約するに至った。


 だが、婚約してからというもの、彼はやたらと関わろうとしてきて。私が仕事で魔蜘蛛の世話をしている時間にさえ不満を抱き。少しでも連絡できないと怒るわ、数日会えないと酷く不機嫌になるわ、で、色々大変だった。


 そして、ある日。


「お前との婚約は破棄する!」


 レイブンはついにそう言った。


「婚約破棄?」

「そうだよ! ずっと会えない、許せない!」

「え……」

「君のことは好きだったけどさ……仕事ばかりに熱心な女は最悪だ!」

「ええっ」

「蜘蛛の世話ばかりして! 婚約者を放置して! だいっきらいだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!」


 こうしてレイブンに切り捨てられた。


 仕事していただけなのに最悪とか言われるとか……。

 彼の論理だと、婚約者同士はずっといちゃついていなくてはならないのか……。


 申し訳ないが、理解はできない。



 ◆



 その後私は仕事関係で知り合った二つ年下の男性と結婚した。


 けれども魔蜘蛛の世話は続けている。というのも、この仕事をできる人が他にいないのだ。私が辞めてしまったら、そこで生きている魔蜘蛛たちは放置されることとなってしまう。だから辞められないし、辞めたくないと思っている。


 ただ、今の夫は理解ある人で、温かく見守り「続けたいなら続けてね」と言ってくれている――だから堂々と働くことを続けられている。


 ちなみにレイブンはというと、恋人が兄と歩いていたのを見て浮気されていると勘違いし彼女を呼び出して刺殺し、人殺しとして牢に入れられることとなったようだ。


 彼は今や殺人犯。

 人を殺めた者。

 恐らくもう二度と生きて世へ出ることはできない。


 愛する人を誤解で殺めるとは愚かな……。



◆終わり◆

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