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婚約破棄されました。でも動じません。私は私の道を進む、ただそれだけなのです。

 私は子どもの頃から爬虫類が好きでした。

 十代後半に差し掛かる頃には数匹飼ってお世話していました。


 ですが、年頃になると、爬虫類の世話をしているだけでは許されなくなってしまい、一人の男性と婚約することとなりました。


 正直婚約というものには魅力を感じませんでしたしそこまで興味もなかったのですが、どうしてもそうしなくてはならないということでしたし親もそうするよう言ってきたので、それを受け入れることにしました。


 しかし。


「おまえ、爬虫類とか可愛がってキモすぎ」


 婚約者ルトーメンは私の趣味を一切理解してくれず。


「そんな女と生きていくとかマヂヤバいわ。ってことで、婚約は破棄な」


 さらにさくっと婚約破棄されてしまいました。


 これまでは特に何も言われていなかったのである程度理解してもらえているのだと思っていたのですが、どうやらそうではなかったよう。悲しいです。残念です。


 ですが動じはしません。


「そうですか、分かりました」

「さっさと消えーろ」

「はい。では、さようなら」


 私たちは根本的なところが違っているのでしょう。

 理解し合うことは諦めます。

 無理なものは無理、それがこの世の理なのです。


 私が行く道とルトーメンは行く道は別々でした。

 でもこれも定めなのでしょう。

 私は彼に執着はしませんし、お互い行きたい道を行くのが良いと思っています。


 こうして私たちは終わりました。



 ◆



 あれから八年。


 この国で初めての爬虫類研究者となった私は毎日忙しく研究所で研究をしています。


 今はとても忙しいですが、ここで働いていれば爬虫類と自由に関わることができるのでとても嬉しいです。ここで研究を続けられるというのは幸福、非常に恵まれた環境だと思います。


 一方ルトーメンはというと、あの後酒の場で酔っ払って服を脱ぐということをやらかしてしまい、社会的に終わってしまったそうです。一時は牢に入れられていたと聞いています。で、今はというと。牢屋からは出ることができたようですが、近所の人たちに居づらい空気を作られてしまい、生まれ育った町からは出ていかざるを得なくなったらしくて。遠い国でひっそりと生きているようです。



◆終わり◆

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