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冒険者令嬢は王子に捨てられても己の道を行く!

「ここに、勝利を宣言する!」


 高貴な家柄の娘であったリュシエラ・アルケは若き冒険者として国を救った。


 英雄となった彼女は、「これからも国を護ってほしい」と国王に頼まれ、彼の息子である王子と婚約することになったのだが……。



 ◆



「リュシエラ、君はもう必要なくなった」


 王子アイケルンはある日突然そう告げた。


 いきなりのことに眉をひそめるリュシエラ。


 だがアイケルンに迷いや躊躇はなくて。


「よって、婚約は破棄とする」


 その婚約破棄はアイケルンが勝手に決めたことであった。当然父である王に相談もしていない。だがアイケルンの心は決まりきっていて、親に相談するなどという発想はその時の彼にはなかった。


「そうですか、分かりました。では私はこれで」

「あぁ。そうしてくれ。さっさと城から出ていってくれ」

「はい、さようなら」


 こうして二人の婚約しているという関係は急に終わった。


 だがリュシエラは動じない。

 ただ冒険者に戻るだけだから。


 彼女は王子に言われた通り城を出ていった。


 リュシエラが城を出ていったことを知った国王は驚き慌てて遣いを派遣。

 どうにか戻ってほしい、と頼み込む。息子の無礼は謝罪し、これからも国を護るため生きてほしい、と国王自ら頭を下げて頼み込む。


 が、リュシエラは断った。


 一人の冒険者に戻るだけ、それだけ言って、リュシエラは去った。


 その後リュシエラは他国へ行くことにした。

 国王らから追いかけ回されるのは嫌だし、実は前からまだ見ぬ世界を目にしてみたかったからだ。


 彼女は親にも何も話さず旅立った。



 ◆



 数年後、アイケルンらの国は滅んだ。


 リュシエラが出国した直後、話を聞いた魔物軍に攻め込まれたのだ。


 国の軍も一応戦いはした。

 しかし何もできず敗退。

 あっという間にそのまま占領されてしまうこととなる。


 王子アイケルンとその取り巻きの愛人のような女たちは処刑され街中に晒され、王妃は魔物軍の悪質な輩に確保され人権などない扱いをされることとなり、国王は拘束された後しばらくして用なしとなると処刑された。


 その頃、リュシエラはというと、生まれ育ったわけではない国で冒険者として仕事をしていた。


 ちなみに結婚もした。

 夫は杖を使う回復術が得意な冒険者だ。


 ある時傷の手当てをしてもらったことで親しくなり、結婚に至ったのである。



◆終わり◆

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