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さくっと読める? 異世界恋愛系短編集 2 (2022.3~12)  作者: 四季


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優しい言葉たちは偽りのものだったのでしょうか? 婚約破棄されてしまいました。

「愛しているよ」


 彼はいつもそう言って微笑んでくれていた。


「君だけが好き」


 彼はいつだって甘い言葉をかけてくれた。


 私は彼を愛していた。

 優しくて。

 大事にしてくれて。

 そんな彼のことを愛していた。


 でも――。


「ごめんね、この人と結婚することにしたから。婚約は破棄するね」


 終わりは突然やって来てしまった。


 彼は私を選ばなかった――。


 他の女性を選んだ。

 妻という位置に。


 優しかったあの言葉たちは一体何だったの? あれは本当の言葉ではなかった? ただ言っていただけ? 婚約者だから気を遣っていただけなのか、あるいは、騙そうとしていたのか……。何が本当だったの? 何が偽りだったの? はじめから騙す気だった? そうではなかった? 言葉が本心だった頃もあった?


 混乱する心で、私は実家へ帰る。


 そして泣いた。

 息もできないくらい。



 ◆



 あれから五年、私と彼は真逆の今に至っている。


 私は彼ではない男性と結婚できた。

 子どもにも恵まれて。

 夫も、夫の親も、私を愛し優しく支えてくれる。


 一度は絶望の海に落ちた私だったけれど、今は幸せを穏やかな日々を手に入れられている。


 何も怖くはない。


 一方彼はというと、あの時の女性と結婚するもいざ結婚してみると小さなことで喧嘩ばかりになってしまったようで。あっという間に関係は冷えきったようだ。で、ある晩、夫婦喧嘩がエスカレートしたそうで。彼は妻を殺してしまったそうだ。


 そうして人殺しとなった彼は、今、狭い牢の中で生きているらしい。



◆終わり◆

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