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さくっと読める? 異世界恋愛系短編集 2 (2022.3~12)  作者: 四季


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母に虐められていましたが、ちょっとした出会いから幸せになれました。~私はもう自由です~

 私は長年母に虐められていた。

 実の母に。

 母は私のことが気に食わないようで、ことあるごとに私に嫌がらせをしてきていた――それに、怒鳴られたり殴られかけたりしたことだってあったくらいだ。


 実の母にさえ愛されなかった私。

 もう一生誰にも愛されないのだろうと考えていた。


 誰かに愛されるなど無理なのだ――そういうものと思って諦めていた。


 でも。


「きみさ、いつも女の人に酷いことされてるよね」


 ある日目の前に現れた一人の若い男性。


「遠いところへ行かない?」

「……あの、意味が」

「ぼくならきみを自由にしてあげられるよ」

「……行きます!」


 私は彼と共に行くことを決めた。


 迷いもあったけれど。

 それでも地獄から抜け出せるならそれで良いと思えたのだ。


「良かった。ぼくはロード、よろしくね」

「こちらこそ、よろしくお願いします」


 こうしてロードとの旅が始まる。


 彼は私を大切にしてくれた。

 不思議だった。

 でもある時彼が私を大切にしてくれる理由を知る。


「ぼくがまだ魔鳥だった頃、きみが獣から救ってくれたんだ」

「そうだったのですか……」

「だから、今度は、ぼくがきみを救いたかった」


 こうして私たちは絆を深めてゆく。


 私たちはいつしか特別な二人になった。


「ロード、これからもずっと一緒にいてくれる?」

「もちろん」

「……ありがとう、嬉しいわ」


 握った手は離さない。


 いつまでも、永遠に――。


 こうして私は自由になれたうえ愛してくれる人にも出会えたのだが、私を虐めていた母には天罰がくだったようだった。


 というのも、彼女はあの後しばらくして自宅の階段から転落し頭を打ち、死にはしなかったものの自立した生活はできない状態になってしまったそうなのだ。で、それによって夫には「家事もできない置物みたいな女は要らない」と言われて捨てられて。一人になった彼女は心を病み、毎日他者から罵倒される悪夢にうなされているそうだ。



◆終わり◆

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