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魔法使い一族の娘である私はその日告げられた――人生を大きく変えるようなことを。
魔法使い一族の娘である私はその日告げられた。
「やっぱ魔法使いの女とか怪しくて怖いわ。呪われそう。てことで、婚約は解消させてもらうことにしたから」
婚約者リボル。
彼との関係は悪くなかった。
これまでは。
でも彼は急に心を変えてしまった。
彼はもう私を嫌いになってしまったみたいだ。
「じゃあな、魔女」
◆
それから二年、突如訪れた災厄を魔法で退けた私は国王から表彰を受けその流れで王子と結婚した。
今や私は王子の妻。
驚くだろうか?
いや、その通りだと思う。それが普通というものだろう。
私だって、そんな話が出た時には驚いた。
誰だって、急にそんなことになったなら、驚きを隠せはしないというものだろう。
ちなみにリボルは、あの後災厄の被害で家をまるごと破壊され、その破片に巻き込まれて死亡したらしい。
悲しい最期だ。
◆終わり◆




