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さくっと読める? 異世界恋愛系短編集 2 (2022.3~12)  作者: 四季


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婚約破棄したうえ殺めようとした彼は自滅しました。~ま、完全に自業自得ですよね~

 その日、私は、婚約者オズレッドに呼び出された。

 しかし不自然な点もあって。

 呼び出された場所が近所の崖辺りだったのだ。


 何だろう?

 場所指定があるなんて珍しいな。


 ――そんなことを思っていたのだが。


「悪いな急に」

「いえ」

「で、話なんだが」

「ええ」


 崖を眺める会、というわけではないようだった。


 でもだとしたら何の意味があるのだろう?

 ここを選ぶ理由が何かあったのだろうか?


「お前との、婚約なんだが破棄することにした」

「え――」

「はっきりと言う。お前と生きていくことが怖くなったんだ。これまで我慢しようと思ってきたが、やはり、お前を生涯の相棒とするのは無理だ。だからこう決めてこう告げることにした」


 婚約破棄? どうしてそんなことを言われているの? 私は何かやらかしてしまっていた? いや、でも、心当たりはまったくない。それに、彼は中途半端な説明しかしていない。具体的な理由は何も聞かされていないのだ。ということは? もしかしたら、理由なんてないのか? ただの気分とか?


 ならこの場所を選んだのもただの気分……?


 ――刹那、オズレッドは私の腹あたりを強く突き飛ばした。


「あ……っ、ととととと、ふぅ」


 よろけたが取り敢えず転倒せずに済んだ。

 危うく崖から転落するところだった。


 安堵していた、瞬間、突き飛ばした勢いを抑えきれずオズレッドは飛んでいってしまう――そして崖の方へ進み、落ちていってしまった。


「オズレッド……そんな……」


 オズレッドは崖から落ちて死亡した。



 ◆



 あれから一年半、私はイウェンという茶髪の男性と結婚した。


 彼は元旅芸人。

 しかし今はこの国にとどまっている。


 彼は今はもう旅をしようとは思っていないようで、職にもついている。


「君みたいな人と生きていけるなら嬉しいよ!」


 結婚する日、イウェンがそう言ってくれたことを、今もとても嬉しく思っている。


 私はイウェンと生きてゆく。

 これからもずっと。

 仲良く、楽しく、一緒に歩んでいく。


 たとえ何があったとしても――きっと乗り越えてゆけるだろう。



◆終わり◆

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