表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
さくっと読める? 異世界恋愛系短編集 2 (2022.3~12)  作者: 四季


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

634/1194

婚約破棄で私を捨てた彼とその相手の女性は池に落ち……。

 その日、私は、ある池の近くに呼び出された。


 なぜそんなところに呼び出されたのだろう?

 そう思っていたのだが。

 呼び出されてもなお謎は謎のままで――しかし、婚約者の彼ルリッシュが何を告げようとしているのかは大体想像できた。


 というのも、彼の隣には一人の女性がいたのだ。


 婚約者の横に女性。

 そして呼び出された。


 それが意味するところ――何となくではあるが読める。


「あの、用とは……?」

「ああ実は言いたいことがあってな」

「何でしょうか」

「お前との婚約なのだが、破棄とすることにした」


 女性はルリッシュの腕に細めの両腕を絡めている。


「婚約、破棄……」

「そういうことだ。ま、これを見れば分かるだろ?」

「まぁ、そうですね……確かに、想像はできます」

「じゃ、そういうことなので。じゃあな、ばいばい」


 ルリッシュはくるりと進行方向を変えて去っていく。


 刹那、ルリッシュの隣の女性がてててとこちらへ近づいてきて――。


「貴女は要らないのよっ」


 女性が突き飛ばしてくる。

 私は咄嗟に避けた。

 突き飛ばした勢いのまま、女性は池に転落。


「きゃあ!」


 池に落ちた女性。ルリッシュが慌てて駆け寄る。が、助けようと手を伸ばしかけた瞬間、彼もバランスを崩してしまって。ルリッシュも女性と同じように池の中へ落ちてしまった。


「きゃあああ! 助けてぇぇぇぇぇ!」

「うわぉわわわわわ!」


 結果、ルリッシュと女性は、ワニの餌となった。


 そうね、もう、共には行けない――だって、婚約も結婚も、命あってこそのものだもの。


 思いながら、私はその場から離れた。



 ◆



 池の一件から数ヶ月、昔よく通っていた喫茶店に久々に通うようになった私は、そこで同じく常連客である男性と知り合う。


 そして彼と結婚するに至った。


 一人通っていた喫茶店にも、今では、二人で通う。もちろん、それぞれが行きたい時に行く、ということもあるのだけれど。それだけではなくて、二人で行くことも多い。



◆終わり◆

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ