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愛し合っていた、はずだったのに……。
愛し合っていた、はずだったのに……。
「君との婚約は破棄とする」
その一言ですべてが壊れた。
貴方は私を捨てた。
そして二度と振り返らないだろう。
私たちにも幸せだった時代はあった。お互いを見つめていて、心と心は赤い糸で結ばれていたのだ。その絆は確かなもの。偽りなどではなかった、その時はまだ。
でも貴方の心は変わってしまって。
きっともう……貴方は私を見ない。
人の心とは移り変わるもの。
分かってはいた。
分かっているつもりだった。
でも……とても悲しい。
貴方と生きていたかった。
……さようなら。
◆終わり◆