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さくっと読める? 異世界恋愛系短編集 2 (2022.3~12)  作者: 四季


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氷の姫は婚約破棄される。~それでも道を行き、やがて、国を護る偉大な女王となる~

 氷を生み出し操る力を持った姫オレビア。


 彼女は基本的には優しい両親のもとで穏やかに生きてきた。


 一国のプリンセスたる彼女は、皆から愛され、優しい人たちに囲まれていた。


 だが、ただ一人、彼女を愛さない者がいて。

 その一人が婚約者だった。

 オレビアの婚約者であるガイ、彼だけは、オレビアのことを嫌っていた。


 彼はいつも周囲に「あのおかしな力が嫌だ」とか「あの女、呪われている」とか「あんな変な力の持ち主と仲良くしたくない」とか愚痴を言っていたそうで。


 そしてある日。


「オレビア姫、やはり俺にはもう無理です。なので、婚約を破棄します」


 ガイはついに本人にそう告げた。


「無理、とは……どういうこと、でしょうか? わたし、何かやらかしてしまっていたでしょうか?」

「その力ですよ」

「え?」

「その力が気味悪いんです、俺は普通の女性と結ばれたい」


 はっきり言われたオレビアは暫し戸惑ったような顔をしたが。


「……そう、ですよね。分かりました。わたしは貴方の意思を尊重します」


 悲しそうに微笑んでそう返した。

 彼女は婚約破棄を受け入れたのだ。


 だが、それを知ったオレビアの父親――国王が激怒して、三日後にガイを処刑した。


 それからのオレビアは「わたしと在ると相手が不幸になるので、結婚は望みません」と言うようになっていたが、後に、幼い頃から知り合いだった騎士の一人と結ばれた。


 時が流れ、やがてオレビアが女王となり。


 その時代。

 オレビアはその特別な力で、夫は騎士として、この国を護り続けた。


 その時代の人たちは、皆、口を揃えて言う。


 国を治めているのがこの二人で良かった、と。



◆終わり◆

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