表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
さくっと読める? 異世界恋愛系短編集 2 (2022.3~12)  作者: 四季


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

611/1194

いきなり婚約破棄を告げてきた婚約者の様子がおかしくて……? ~嫌がらせをしてくる者は許しませんよ~

 その日、私は、仲良しだった婚約者オーベから告げられてしまった。


「君との婚約は破棄とするよ」


 何事!?

 急過ぎない!?


 そんなことを思いながら理由を聞いてみると。


「君にはもう飽きたんだ」


 オーベは淡々とそう答えた。

 しかしその様子は不自然で。

 何かがおかしい、そう思い、オーベの身に何かが起きていないかを調べてみることにした。


 すると彼が定期的に妖精と会っていると判明。


 まさか魔法? 妖精に魔法か何かをかけられているのではないか、と思ったのだ。根拠はない。が、そういうことをする妖精がいるという話は聞いたことがある。妖精の魔法なんて信じてはいなかったけれど。でも、婚約破棄を告げてきた時の彼は様子がおかしかった。やはりそうなのでは? 操られでもしているのではないか? どうしてもその思いが頭から離れなくて。


 で、調査してみたところ、やはり妖精がオーベに何かをしていたことが判明する。目撃者がいたのだ、妖精がオーベに光をかけるところを見た者が。


 私は妖精のところへ行く。

 女性を小さくしたような見た目の妖精。

 セクシーなドレスを着ている。

 小さいわりに雌を強調するような体型かつ服装で、見ていて不愉快だ。


「あなた、私の婚約者に何をしたのですか」

「えぇ~? 知っらなぁ~い」


 妖精を右手で掴む。


「そうですか。では……残念ですが、あなたの生涯を終わらせますね」

「ぴっ!?」

「そうすれば簡単に分かります。……あなたが本当に何もしていないのかどうか」

「暴力ハンタイ!!」

「あなたたち妖精に人権などありませんので」


 私はそのまま妖精を握り潰した。


 もし妖精がオーベに何かしていたとしたら、これでオーベは元に戻ってくれるはず。戻らなければ妖精は何もしていなかったということになるが、まぁ、恐らく戻ってくれるだろう。妖精の知らないという言葉が偽りでないとは思えない。


 その後、オーベから連絡があり、彼はかなり焦っているようだった。


 婚約破棄などと言ったことを謝罪された。

 また、彼は「自分はどうにかなっていた」とはっきり述べていた。


 ということはやはり……。


 こうして私とオーベは再び婚約することとなった。


 これからはまた共に。

 一度は離れることとなりかけたけれど、離れたままにはならずに済んだ。


 その後私とオーべは近所でも有名なほど仲良しな夫婦となった。


 毎日一緒に過ごして。

 いろんな話をして。


 結婚から数年が経った今でも、二人、幸せに暮らしている。


 ちなみにあの種の妖精たちはあれからも似たような悪事を繰り返したそうで、先日、ついに巣ごと駆除されることとなったそうだ。


 巣の中には赤子を抱いた雌の妖精もいたそうだが。

 だからといってどうということはなく。

 妖精らは皆、薬品を練り込んだ餌によって死を迎えたらしい。


 可哀想に思う部分もあったかもしれない――あんなことをされてさえいなければ。


 でも、今は、正直そうは思えない。


 だって妖精たちは人々に害を与えたのだ。

 余計なことばかりしたのだ。

 そんなことをする者たちを放っておくことなどできない。


 ま、なんにせよ、すべては駆除によって解決した。


 きっともうあんなことにはならない。

 だからオーべを信じる。

 これからも幸福に生きていく。


 そうそう、そういえば、今度知人の家へ犬を引き取りに行くことになっている。


 そろそろ家族が増えそうなので楽しみだ。



◆終わり◆

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ