愛は永久に。~婚約破棄された直後に出会った私たちは~
「貴女を愛しています」
触れる指先。
絡む視線。
今、私と彼の心は、確かに通い合っている。
「私も。貴方が好きよ」
言葉だけではない。
それ以上に。
心で触れ合う、特別な二人だけの距離がある。
「ずっと一緒にいたいです」
「私も」
私たちには明るい未来がある。
そう信じている。
だって、だって、私たちは――あの絶望の中で出会い、ここまで来たのだから。
◆
彼と出会ったのは今から二年前。
私が幼馴染みだった婚約者から婚約破棄され絶望していた時。
「どうしてそんなに泣いているのです?」
「え――」
道端でしゃがみ込んで泣いていた私に彼が声をかけてくれた。
「大丈夫ですか」
そして手を差し出してくれた。
あの瞬間がすべての始まり。
絶望の闇から彼の腕が私を救い出してくれた。
◆
「きっと、幸せになりましょ」
「もちろんですよ」
あの時、巡り会えた奇跡。
それを携え。
未来へと行く、この道の先へと突き進む。
「改めて、よろしくお願いします」
「ええ! よろしくね!」
闇は去った。
愛は永久に――。
◆終わり◆




