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さくっと読める? 異世界恋愛系短編集 2 (2022.3~12)  作者: 四季


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貴方を愛する心では誰にも負けない、そう思っていました。~たとえ悲しくとも、いつかは未来へ~

 貴方を愛する心では誰にも負けない。

 そう思っていました。

 戦いは好きでない私でしたが、このことに関してだけは、絶対に誰にも負けないのだという自信があったのです。


 けれど。


「あんたと生きる道は選ばない。婚約は破棄させてもらう」


 その日、告げられてしまったのです。


 貴方は私を選びませんでした。

 他に良い人がいるのだと。

 それだけ言って、私の目の前から去っていってしまったのです。


 この時になって私は初めて気づきました。


 愛する心では愛を得ることなどできないのだと。


 悲しいことですよね。

 愛していても愛されないとは。


 でもそれが現実、それがこの世の答えなのです。



 ◆



 あれからどれほどの時が流れたでしょうか。


 もう思い出せません。

 あの日は遠くへ。

 長かった辛かった日々も、もはや、過去のものとなっているのです。


 あの頃は泣いてばかり。

 常に胸は痛く。

 明るい未来などこの瞳で捉えることはできず。


 そんな毎日でした。


 でもそれを変えてくれた人がいて――それが、目の前にいる彼です。


「手を出してくれますか?」

「え、あの」

「片手だけで大丈夫です」

「はい。……っ!」


 私、今日、幸せになります。


 もう貴方との日々に縛られることはありません。

 この日をもって貴方への気持ちは完全に消えるのです。


 さようなら、かつて私を捨てた貴方。


 私は未来へ行きます。


 折れた翼も。

 失われた翼も。


 いつの日かは蘇るのです。



◆終わり◆

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