妹と婚約者が仲良くなっていたようで、邪魔者の私は切り落とされました。が、その後王子との縁に恵まれました。
「お姉様、オーロレ様はあたしがいただくわね!」
「悪いが俺は妹さんと共に生きていくことにした。なので婚約は破棄とさせてもらう。姉もお前は要らない。ではな、さらばだ」
そんな日が来るなんて思っていなかった。
でもその日は訪れてしまった。
そう、それは、婚約を破棄され捨てられる日のことだ。
私はオーロレのことを大切に思っていた。親の意向も含まれてはいる婚約だったけれど、仲が悪いことはなかったし、むしろ逆でそこそこ仲良かったのだ。だから信じていた、共に歩み幸せになれると。
けれどもそれは私が勝手に思っていただけだったみたいで。
婚約なんて驚くくらい呆気なく消滅してしまった。
しかも妹に奪われるという形で。
何ということだ。
こんな残念な形で婚約者を失うこととなるなんて夢にも思わなかった。
でも切り捨てられたことは事実。
そして、彼を妹に奪われたこともまた、間違いなく事実なのだ。
切なくて、悲しくて、どこか悔しさもあって。
そんな複雑な感情を抱きながら生きてゆくこととなった。
◆
あれから三年。
私は今、あの時オーロレが私を捨ててくれたことに感謝している。
というのも、私は、王子の妻となれたのだ。
あの時は辛かった。けれども彼といたままでは王子との縁には出会えなかったのだ。それを思えば、彼がいてくれたからこそああしてくれたからこそ現在がある。彼らのおかげで今の私が存在している。
ちなみに、オーロレと妹はというと、あの後わりと短い期間で関係が終わることとなってしまったようだ。
私が王子との縁を得たことで不機嫌になった妹がオーロレに当たり散らしたようで、それによってオーロレは彼女のことを嫌いになってしまい、みるみるうちに仲良しだった二人は消えてしまったそうだ。
で、最終的には、離婚することとなったそう。
今はもう夫婦ではないらしい。
妹は街で知り合った怪しい男性と深い関係を持ったことで怒った両親から縁を切られてしまい、森へ入ったきり見つからず、もう一年以上行方不明となっているらしい。
一方、オーロレは、また別の女性と結婚目指して関わりを持つもプロポーズした瞬間心なく拒否され、そのショックで自ら命を絶ってしまったそうだ。
◆終わり◆




