表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
さくっと読める? 異世界恋愛系短編集 2 (2022.3~12)  作者: 四季


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

560/1194

突如告げられた婚約破棄、その原因は婚約者が私の妹に惚れたことでした。妹がいたために私は捨てられたのです。しかし……?

「悪いが、君との婚約は破棄させてもらうよ」


 告げられた言葉。

 婚約者ブルテルネストが突如発した言葉。


 それは、終わりを告げる言葉だった――。


「ごめんなさいねぇお姉様! あたし、すぐ惚れられちゃうたちでぇ~、だからブルテルネスト様にも気に入られちゃったのぉ~」

「あ、一つだけ礼を言っておくよ。こんなに可愛い妹さんに出会わせてくれてありがとうございます。君のおかげで、運命の相手に出会うことができたよ」


 しかも、婚約者を奪ったのは、私の実の妹だ。


「ブルテルネスト様ぁ、早速婚約してくださるぅ?」

「ああもちろん、もちろんだ。すぐに手続きを始めようよ」


 二人は私の目の前であっても躊躇なくいちゃつく。


 今まさに捨てられたところの私への配慮なんて一切ない。

 彼らの瞳にはもう私なんて映っていないのだ。


「いやぁ~んうれすぅ~い~」

「結婚式も今から楽しみだね。美しい女性と結婚できるなんて思っていなかった、だからこそ、今とても嬉しく思っているんだ」

「それってぇ、あたしが美しい女性ってことぉ? いやぁ~ん嬉し~」

「はは、可愛いな」



 ◆



 一年後、ブルテルネストと私の妹の結婚式の日、私は風邪を引いてしまって起き上がれなかったため実家の自室にこもって休んでいた。


(いまごろめでたく盛り上がってるかなぁ……まぁでもいっか、幸せな二人を生で見るのも辛いしなぁ……)


 咳をしながらそんなことを考える。


 ベッドの脇のデスクに置かれたグラスを持って。

 ぬるい水を口腔内へ注ぐ。

 その水はどこか甘い気がした。



 ◆



 結婚式の日、結ばれた二人は死んだ。


 式典の最中会場に賊が殴り込んできたそうで、賊たちはなぜか新郎新婦だけを狙ったそう――そして、ブルテルネストと妹は、皆がいる前で殺められてしまったそうだ。


 賊らは参加者には手を出さなかったようで。

 ただの参加者だった人たちは怪我も特にはなかったようだ。


 なぜ二人だけが狙われたのだろう――?


 少しばかり不思議に思う。


 けれどもその謎が解決されることはなく。

 そのうちに、皆、過去のこととしてその事件のことを忘れていった。



 ◆



 ちなみに、私はというと、事件の数年後に海外の文化である納豆づくりを仕事としている男性と結婚した。


 結婚式も無事執り行われ終了。


 私はめでたく想う人と結ばれることができた。



◆終わり◆

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ