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さくっと読める? 異世界恋愛系短編集 2 (2022.3~12)  作者: 四季


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悲しい婚約破棄で貴方とは終わることになってしまいました。

「君とは行けない。だから――婚約は破棄とする」


 愛していた人。

 彼からそう言われた。


 私たちはもう、共には行けない。


 幼い頃から知り合いだった。仲良しだった。お互いのことは何でも知っていて、喧嘩もたまにはするけれど、それでも一番仲良しだと思っていた。だから、生涯を共にする相手も、お互いを選んだ。その選択に迷いはなかった。


 でも――婚約期間中に起きた争いによって、私たちが共に行く道は絶たれてしまった。


 双方の家が敵対する状況になってしまったのだ。


 私と彼が憎しみ合っていなくとも。

 二つの家は憎しみを抱き合っている。


 私たちはもう手を取り合っては行けない。


「そうね。……さようなら」


 ここから先は別々の道を行く。


 思い出も。

 記憶も。

 貴方と交わした言葉たちも。


 ――ただ捨てるだけ。



◆終わり◆

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