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婚約破棄? それが何。どうぞご自由に、婚約破棄でも何でもなさって。
「お前みたいなわがままそうな顔面の女とはやっていけん! 無理だ! よって、婚約は破棄とする!」
婚約者オーダンが急にそのようなことを言ってきましたわ。
でもどうでもいいですの。
好きにすればいい、それだけですわ。
「婚約破棄? それが何。どうぞご自由に、婚約破棄でも何でもなさって」
そう返し、私は彼の前から去りましたわ。
私を欲していない人のもとのいるほど暇ではありませんの。
私は必要とされるところに生きるのです。
◆
その後私は漁の新技術を開発したことで大金持ちになった男性と結ばれましたわ。
彼は私を必要としてくれていました。
だからそれに応えたのです。
今、彼と共にあれて、とても幸せだと感じています。
ちなみに、オーダンは、あの後恋人ときのこ採りをしている最中に熊に襲われて生を終えたそうですわ。
ま、もはやどうでもいいことですけれど。
◆終わり◆




