婚約破棄された悲しみの中でも光を求め続ける。
他の女を作られたうえ、心ない言葉をかけられ、婚約破棄された。
それはとても辛いことで。
彼を愛していたからこそ、より一層、その辛さは濃く滲んだ。
屈辱。けれどもそれだけではなく。悔しさの中にも言葉にならないような悲しさもあり、怒りと共に涙も流れて。彼のことを思い出すたび辛くなるから思い出すべきでないというのに、どうしても、彼のことが脳から離れてくれず。身体中にこびりつくようであった。
けれども、私は、この悲しい終わりには負けない。
光を探すのだ。
たとえどんな状況の中にあっても。
婚約破棄された悲しみの中でも光を求め続ける。
それが私の決意だ。
その決意をなくしては、それはもはや私ではない。それは、私の姿を借りた何かべつのもの。決意があってこそ、私というものが完成する。
婚約破棄された悲しみの中でも光を求め続ける。
私は悲しみのままでは生きない。
前へ目をやって。
周囲を見渡して。
どんな小さな光でも見つける、そう誓おう。
婚約破棄された悲しみの中でも光を求め続ける。
◆終わり◆




