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さくっと読める? 異世界恋愛系短編集 2 (2022.3~12)  作者: 四季


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パンの掴み方が好きでないからと婚約破棄されました。……何で!? 驚きは大きかったのですが、私は未来を見据えます。

 その日、私と婚約者オーガレニアは、共に食事をしていた。彼が誘ってくれて、彼の家で少し食事をすることとなったのだった。


 だが、私がパンをつまもうとした瞬間――彼は青ざめて叫んだ。


「何だよその掴み方!!」


 その瞬間は何が何だか分からなくて。

 叫ぶ彼を見つめることしかできず。


「そんな! パンへの触れ方! 信じられない! 最悪だ! しかも、そんなことをしていて女性だなんて、もっと酷い! 信じられないあぁ信じられないよ!」


 ぽかんとしていると。


「そんな掴み方、好きじゃない! 最悪だ! よって……君と婚約は破棄とする!!」


 いやいや、本気か? それが婚約破棄の理由? パンの掴み方が理由だなんて、正気か? 大丈夫なのか?


「食事は終わりだ! ……もう出ていってくれ。そして、二度とその顔を見せるな。お前みたいな女の顔、もう一生見たくない」


 こうして私は急に追い出されることとなった。


 一体何が起きたの……?


 そんな思いを抱えたまま、私は彼の前から去った。


 私は親から礼儀についてそこそこ習ってきた。それゆえ、失礼な行いをしていたはずはない。それに、パンの掴み方だけで婚約破棄されるなんて、ますます意味が分からない。もっと大きな何かがあったならまだしも。


 ま、でも、過ぎたことをどうこう言っても意味はない。


 これからは未来を見据えようと思う。



 ◆



 その後私はとある屋敷で働き始めた。で、そこで能力を認められて。紹介の形で、城で働くこととなった。そして、そこでも働きを認められたことで王子の妻候補になった。で、数年候補として過ごした後に、王子と正式に婚約した。そして、やがて、彼と結婚した。


 王子は善良な人だった。

 だから私のことも大切にしてくれた。


 彼と巡り会えたこと、とても嬉しく思う。


 せっかくこうなれたのだ。

 お返しとして、私は、彼のために生きてゆきたい。



 ◆



 それからも私は王子の妻として生活していたのだが、その中で、オーガレニアのその後について耳にする機会があった。


 彼はあの後顔が好きな女性と結婚したそうだ。しかし、女性の親と同居することになり、しかも女性の親から嫌われてしまったそうで。それからずっと、女性の両親から虐められることとなってしまったそうだ。で、今ではかなり心を病んで痩せていて。もうずっと体調不良が続いているらしい。



◆終わり◆

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