婚約者にいつの間にか近づいていた妹が婚約者を奪い取りました。が、妹らは幸せにはなれなかったようです。
私にはアポレという婚約者がいた。
しかし妹に奪われた。
妹は私が知らないうちにアポレに近づき、関係を過剰なまでに深めていたのだ。
で、その結果、私は急にアポレから告げられることとなる。
「ごめんな、おまえと生きるのはやめるわ。婚約、破棄な」
信じられないでいた私の前に偶然を装って現れたのは妹で、私は、その時になって初めてアポレと妹が深い関係になっていたことを知る。
「わたしたち、仲良し! 運命の相手なのよねー!」
「ああそうだよな」
「いやーん、好き好きぃ! あたしを選んでくれてありがとぉ!」
◆
その後私は学園時代の友人の人脈からの縁で王子と知り合い、色々あったが絆を徐々に深めて、やがて彼と結ばれた。
一方、アポレと妹はというと、婚約も結婚もしていないうちに踏み込んだ関係になり過ぎたことで周囲から良く思われないようになってしまったそうだ。
アポレは「責任感のない男だ」と批判され卵を投げつけられたらしい。
妹は「決まった相手でもない人と気軽にそういうことをするなんて、みっともない女性だ」と激しく批判され心を病んでしまったらしい。
◆終わり◆




