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さくっと読める? 異世界恋愛系短編集 2 (2022.3~12)  作者: 四季


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五回目の婚約、今度こそ私は幸せになってみせます! ~絶対に諦めません~

 思えば、婚約者から切り捨てられるばかりの人生だった。


 最初に婚約した彼とは互いに想いあっているところからの始まりだったのだけれど、気づけば彼に浮気されていて、結婚する前日に「貴女といることに飽きたからさよなら」と言われ婚約破棄されてしまった。


 二人目の婚約者は学者だったのだが、婚約して三日後に「婚約してから先のことを色々考えてしまって胃が痛くなったので」といういまいちよく分からない理由で婚約破棄された。


 三人目の婚約者には毎週のように浮気されたうえ放置され続け、数ヶ月後にやっと連絡が来たと思ったら婚約破棄の連絡だった。


 四人目の婚約者は三人目の弟だったのだが、兄の浮気相手の一人であるおばさんに奪い取られてしまい、関係は急に終わってしまった。


 で、今の婚約者であるウェグリーが五人目となるのだが、彼とはなかなか上手くいっていると思えている。


「ありがとう、ウェグリー。五人目だというのに許してくれて」

「え? いいんだよ。気にしない気にしない! 人数なんて関係ないよ、それに、話を聞いていれば君のせいじゃなさそうだし。これまでのはただ運が悪かっただけだよ、きっとそう、だから大丈夫」


 その数ヶ月後、私はウェグリーと正式に夫婦となった。


 これまでは外れくじばかり引いているような状態だった。

 でも今回は違って。

 強い刺激はなくともウェグリーとは心を通わせることができる。


 彼といると安心できる。


「これで今日から夫婦だね」

「そうね」

「嬉しいよ。どうか……よろしくね!」

「ありがとうウェグリー。こちらこそ! よろしく! 永く、仲良くしてほしいわ」

「もちろん! こちらこそ、仲良くしてね」



 ◆



 あれから数十年、私は今もウェグリーと仲良し夫婦のままだ。


 ちなみに、彼以外のかつて婚約していた男性たちは、皆残念なことになったようだった。


 一人目は、誰からと婚約しては「飽きた」と言って婚約を一方的に破棄することを繰り返しているうちに信頼を失い、女性からまったく相手されないようになったそうだ。で、結局独身のままらしい。彼自身には結婚したいという意思はあるようだが、なんせすぐ飽きるので、結婚は到底無理な状態のようである。


 二人目は、学者をしていたが不正がばれ、くびになって。今はほぼ無職の状態だそう。お金がなく、一日にパン一個しか食べられないらしい。


 三人目は、女遊びのし過ぎで病気にかかってしまい、それが悪化したことで早くに亡くなったそう。


 で、四人目は、おばさんと仲良くしていたようだが、兄の死を迎えることとなり酷く落ち込んだそう。で、それ以来おばさんの家へ行って暮らすこととなったそうなのだが。おばさんは勝手なルールを作って彼を縛り上げ、十年以上にわたって彼を監禁しているそうだ。



◆終わり◆

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