下の妹に婚約者を奪われてしまいましたが、勝手な彼女は上の妹に復讐されました。
私には二人の妹がいる。
一つ年下の妹リリは、とても優しく、いつも私を大事にしてくれる。
三つ年下の妹ネレレは、末っ子で大事にされ育ったこともあってわがままで、悪意を持って余計なことをすることが多い。
で、私は、下の妹であるネレレに婚約者を奪われてしまった。
「わるいなぁ、でもさ俺、やっぱ、この出会いは運命だと思うんだよなぁ。ってことで、ネレレさんと結婚することにしたから。お前との婚約は破棄なぁ」
「ごめんなさいね! お姉さまっ。わたしと彼、愛し合っているんです! うふふ、残念でしたねぇ。じゃ! これでっ」
こうして、私とその婚約者であったオレビレスの関係は終わった。
が、そのことを知ったリリは激怒した。
「何それ! お姉さまの婚約者を奪ったの!? ……許せない。そんなの! 最低の行為よ! 他の女になびくオレビレスさんもちょっとではあるけど……でも! ネレレ! やっぱり彼女は許せない!!」
リリは私以上に怒っていた。
「お姉さま、待っていて。私が後悔させてくるわ。ネレレ、あの女だけは、絶対に泣かせるから」
その後、ネレレはリリの知人の男性によって拘束され、山小屋に運び込まれて数ヶ月にわたって拷問のような行為を受けた。彼女は最初のうちは「オレビレスさんが誘ってきたのよぉ」とか責任を彼だけに押し付けるようなことを言っていたそうだが、次第にそういうことは考えられなくなってゆき、いつしか「死なせてぇ」しか言わなくなっていったそうだ。で、やがて命を落としたそうだ。
ちなみに、オレビレスはというと、痴漢に連れ去られてその人の家に監禁されたそうで。
朝から晩まで酷い目に遭わされ続けているそうだ。
愛、という名のもとに。
拷問に近いような心を壊す行為を繰り返されているらしい。
ちなみに、オレビレスは既に精神崩壊しており、今は人形かというくらい何も言わず目も死んでいるという噂だ。
私はその後、オレビレスではない男性と巡り会い、その人と共に生きてゆく道を選ぶことができた。
今の生活に不満は一切ない。
むしろ喜びに満ちた日々。
邪魔してきそうなネレレもいなくなったことだし、もはや心配することは何もない。
ちなみに、リリとは今も関係良好で、定期的に会って喋っている。
◆終わり◆




