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さくっと読める? 異世界恋愛系短編集 2 (2022.3~12)  作者: 四季


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親から可愛がられていた妹のわがままで婚約者を奪われてしまいました。もうやっていられないので家を出て自分を道を進むことにします。

 私と妹は同じ家に生まれた娘。

 しかし親は妹ばかりを可愛がって。

 私は基本いつも放置だった。


 姉妹なのにどうしてこうも扱いが違うの?


 まだ幼かった頃にそんな質問をしたことがあったけれど、親は同じように扱っていると言い張っていた。


 でも、幼い子が見ても分かるほど、私と妹の扱いは異なっていた。


 与えられるものの数が違う。

 そして値段や価値が違う。

 妹は望んだものをおおよそすべて貰えていたのに私は何かが欲しいと言っても無視されるだけだった。


 そんな私にも婚約者はできたのだれど……その婚約者を妹が欲しがったために、私は婚約者との婚約を破棄させられた。


 妹のちょっとした希望で他者との関係を潰されるなんて。

 さすがにこれには驚いた。

 親がそこまで妹の言いなりだとは。


 婚約者を妹に奪われたことでもうそこにいることに耐えられなくなった私は、人生を変えるため、家を出ることにした。


 実家にいてはいつまでも妹に奪い取られるばかりだと思ったからだ。


 そうして家出した私は、旧友の紹介もあって城で働く職に就くことができた。特殊技能を持っていないにもかかわらずそこそこ給料のある職に就くことができたのは幸運だった。


 それから私は城で働き始めた。


 最初は慣れないことばかりだったけれど、それでもこつこつ働いて努力を重ねた。そうしているうちに段々慣れて。気づけば優秀賞を受賞していた。で、国王から表彰を受けた。


 その後のパーティーにて、私は王子と知り合う。


 一目見て互いの魅力の海に落ちた私と彼。

 その日に婚約を決めた。

 お互い迷いはなかった。


 そうして私は雑用係から王子の妻へと飛躍した。


「貴女と結ばれることができてとても嬉しいです」

「そんな……勿体ないお言葉です」

「何を! そのようなことを仰らないでください、貴女は素晴らしい女性です」


 私はもう親や妹に心を傷つけられることはない。

 あの人たちとはもう会わないから。

 これからは私は私として大切にされて生きてゆくのだ。


 ちなみに、妹はというと、私の婚約者だった人と結ばれて喜び浮かれていたようだが……いざ結婚してみると彼の悪いところばかりが目についたようで、喧嘩ばかりの関係になってしまったそうだ。

 また、妹は「姉の婚約者を勝手を言って奪った女」と周囲から言われ、ひそひそ悪口を言われることもあったらしい。


 それらのことが同時に発生したことで心を病みつつあった妹は、夫にさらに当たり散らすようになり、夫婦仲はより悪化していったそうだ。


 そして、ある日の晩、妹は夫から離婚を告げられたらしく。


 以降、妹は荒れたらしく。


 実家で暮らしながらも、毎日のように暴れ回ってよく分からない言葉を叫んだり激怒しながら踊ったりするような状態で、親も対処にかなり苦労しているようだ。



◆終わり◆

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