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婚約破棄され、涙して。
愛していた貴方から告げられた、婚約破棄。
私は捨てられた。
もう貴方の隣にはいられない。
燃え尽きた後の灰のようになった私の目には、もはや、希望の光など映ることはない。
婚約破棄され、涙して。
傷を癒やすのは時の経過だけだ、と、いつかどこかで聞いた。その言葉を理解しないわけではないけれど、ただ、どうしても不安を感じてしまう。思ってしまうのだ、それを疑いもせず信じていて良いのか、と。
この胸の傷もいつかは消えるのだろうか……?
分からない。
少なくとも、今の私には分からない……、何も。
婚約破棄され、涙して。
愛していた貴方と話がしたい。
愛していた貴方と昔のように語らいたい。
けれどももうそれは叶わぬ願いで……。
あぁ、切ない。
あぁ、悲しい。
◆終わり◆




