私との婚約を破棄した男性、その末路。~相手を人と思わないような行いは良くないですよ~
「お前ってさ、ほんとクソだよな! うざいしぶさいし! 引くわー。ってことで! 婚約は破棄するから! いいな。もう二度と俺に近寄るなよ!」
婚約者アドレイムが急に婚約破棄を告げてきた。
しかも失礼な言葉つきで。
クソ、とか、うざい、とか、どうしてそんなことを平然と言えるのだろう? 相手が傷つくかもしれない、とは思わないのだろうか? 相手を不快にしたり傷つけたりする言葉もあるのだと知らないのか? 大抵どこに家でもそういうことは子どもの頃から習うことだろうに、彼はそういうことを親から習ったことがないのだろうか。
「いつまでそこにいるんだよ? とっとと出ていけって!」
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あれから三年、私はアドレイムに捨てられはしたものの親の人脈のおかげでより良い人に出会え、その人と結ばれて幸せになれた。
もちろん、結婚生活は始まったばかりで、本当の苦労はここからだろう。今はまだ始まったばかり。きっとこれからいろんな困難があるだろうし、いろんな波を二人で越えていかなくてはならないことになるだろう。
ただ、それでも、きっとやっていけると思える。
彼となら。
きっと大丈夫。
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ちなみにアドレイムのその後だが、なかなか悲惨な目に遭っていたようだ。
私を切り捨てた直後、アドレイムは恋人を五人以上作って遊び回り出したそうだが、その中の一人と婚約することとなった。婚約相手は良家の令嬢であったが、それでも他の女性との遊びはやめず。しかし、やがて、婚約者の女性にそのことがばれてしまう。
女性は激怒したが、その父親はもっと怒っていて。
彼はアドレイムに婚約破棄を告げ、さらに、凄まじい額の慰謝料を請求したそうだ。
アドレイムはその支払いを拒否。
すると彼のもとへ怖い男が数人やって来て。
慰謝料を払わないなら代わりに身体で払ってもらおう、と言われ、生殖能力を完全に奪われてしまったそう。
数ヶ月後アドレイムは解放されたが、その時には既に生殖能力を失っておりさらにそれによって心の病にかかってしまっており、もはや普通の生活をできる状態ではなかったらしい。
以降、アドレイムは自宅にこもるようになり、食べることも身体を洗うことも自力ではできず会話もほぼしない状態になってしまったらしく。彼は今でも親に世話してもらっているそうだ。だがその内容は。世話、というよりか、介護、という感じだそうだ。
◆終わり◆




