義理の妹に婚約者との関係を終わらされてしまいましたが、その後良い出会いに恵まれたことで幸せな花嫁になれました。
私には三つ年下の義理の妹がいる。父の再婚の際に義母となる人が連れてきた女性だ。彼女はどちらかというと地味寄りな私とは違って派手な人で、可愛いという言葉が似合う雰囲気ではあるもののわがままな性格で、関わるとなると少々困ってしまうような人物である。
そんな義妹エリーナがある日突然言ってきた。
「お姉さま、婚約、破棄しておいて差し上げましたわ」
いきなりそんなことを言われて戸惑っていると。
「だってぇ、アグリン様はお姉さまには相応しくないような素敵な殿方でしょう? お姉さまはあのような素敵な人が相手でなくて良いではないですか。お姉さまみたいな地味女はね、もっと芋みたいな殿方の方が合っていますわよ? うふふ。じゃ、そういうことですので~」
エリーナは嫌みを言ってから去っていった。
その後私は本当に婚約破棄となったことを確認。
こうして、アグリンとの関係は思わぬ形で終わってしまった。
アグリンとの関係は悪くなかった。お互いを嫌い合っていたわけではないし、むしろ仲良いくらいであった。けれども義妹のせいでこんなことになってしまった、そう思うととても切なくて。悲しくて、涙が出そうで。
それから数日は泣いてばかりだった。
でも涙が枯れたら前を向こうと思えるようになって。
実家には別れを告げて。
自力で生きてゆくことにした。
◆
王都へ出た私は一人暮らしをしながら博物館の清掃の仕事を始めた。
清掃業に従事するのは初めてで。
けれども一つずつ学んで。
徐々に技術を高めていった。
そんな時、博物館に視察に来た王子と出会い、そこで彼に一目惚れされて。
それをきっかけに人生が大きく変わることとなった。
王子は私と二人で話すことを望んだ。
私はそれを受け入れ。
まさかの展開ではあるが王子と対面することになった。
その後私は王子と結ばれることとなり、清掃は辞め、彼のもとへ行くこととなった。
◆
私は王子と結ばれて幸せになれた。
結婚式の際には皆から祝福され、すべてが上手くいき、幸せそのものだった。
一方義妹エリーナはというと、あの後アグリンに迫るも拒否されたそうだ。で、拒否されてショックを受けていたところに私の結婚の話も耳に入ってきたためにエリーナはさらに酷い精神状態になってしまったらしく。彼女は、時に親のことも殴るほど荒れているそうだ。
◆終わり◆




