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さくっと読める? 異世界恋愛系短編集 2 (2022.3~12)  作者: 四季


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薬屋の娘として生まれ育った私は趣味が女性らしくないからと婚約破棄されてしまいましたが、その後画期的な薬を発明することができました。

 私が生まれた家は薬屋だった。


 どこの町にでも大抵一軒はある薬屋。

 父がそれを営んでいる家にて生まれた。


 そんな家庭環境もあって、私は幼い頃から薬草やら何やら薬の材料となるものたちに親しみを持って育ってきた。父の手伝いをすることもあったので、簡単な薬であれば作ることだってできる。友人のために薬草を摘んで感謝されたことだってあった。


 だが。


「お前みたいな趣味が女性らしくない女はやはり無理だ。それに、そんなのが妻になったら俺が恥をかくことになる。しかも一生。そんなことには耐えられない……ということで! お前との婚約は破棄する!」


 婚約者オードブレには私が薬に詳しいことを良く思ってもらえず。


 ただ否定されるのみならず、婚約破棄されてしまった。


 薬は怪しいものではないのに……。

 人々のためになるものなのに……。


 でも、分かってくれない人に何を言っても変わりはしないだろうと思うので、彼に分かってもらおうとするのはやめた。



 ◆



 その後私は本格的に薬屋で手伝いをするようになった。

 結婚は諦めたのだ。

 それよりもやりたいことをする道を選んだ。


 また、店の手伝いはもちろんだが、個人的な薬の研究を行うようになっていった。これは完全に好奇心からの行動である。ただ、父はわりと寛容な人だったので、それを受け入れてくれた。おかげで私はのびのびと研究できた。


 で、数年後、私はついに画期的な薬を発明することに成功する。


 近年患者が増えている不治の病の治療薬。

 思ったより早く完成して。

 それによって多くの患者の命が助かることとなった。


 私は国王からも表彰を受け、それからはより良い環境で薬の研究をさせてもらえることになった。


 私はこれからもこの道を行く。


 多くの命を救うために。


 ……それと、自分の知的好奇心を満たすために。



 ◆



 ちなみにオードブレはというと、例の不治の病にかかるも「あの女が作った薬なんぞ怪し過ぎて使えん!」と意地を張り、そうしているうちに悪化していってしまって死亡したそうだ。



◆終わり◆

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