表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
さくっと読める? 異世界恋愛系短編集 2 (2022.3~12)  作者: 四季


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

478/1194

虐められた? 私に? いやいや、私と貴女、関わったことほとんどありませんよね。嘘を言わないでください。

「まさか、君が虐めをするような女性だったとはな」


 婚約者オーレイが急に呼び出してきた。


「許せない……君との婚約は破棄する!!」


 彼が言うには、私が彼の幼馴染みである女性コルネを虐めていたそうなのだ。


 まったく心当たりがないのだが……。


 何を言っているのか?


 どう考えてもコルネの嘘だろう。

 私を陥れようとしているのだろう、恐らくは。


「お待ちください、それは嘘です。私はコルネさんを虐めてなどいません。絶対的な証拠があるのでしょうか? あるのなら、それを提示してください。話はそれからです」


 するとオーレイは激怒して「出ていけ!!」と叫び続けた。


 私は仕方がないのでその場からは一旦去ることにした。


 ここにいたら危ない。

 そう感じたから。


 一旦退いて、それから、改めて動く。


 その後私はコルネについて調べ上げた。すると彼女が気に食わない者をこれまでも嘘で蹴落としていたことが判明した。どうやら、嘘をついて邪魔者を消すやり方は、彼女の得意技のようだ。


 コルネが嘘つきである証拠を集め、オーレイに提出。


 長い時間がかかりはしたが、戦いの果てに、私がコルネを虐めていなかったということをオーレイに理解させることができた。


「その件は、ごめん。やり直そう。君がコルネを虐めていないのならそれでいいんだ、虐めているなら最低だと思っただけで」


 真実を知った彼は、私とやり直すことを望んだ。


 けれど。


「すみませんが、厄介な幼馴染みがいる貴方とはもう関わりたくありません。ですので、やり直す、は、お断りします」


 私は彼と関係をやり直すことを断った。

 もう彼とは関わりたくなかったからだ。


 私はコルネを虐めていなかった、それを分かってもらえたならそれだけでいい。


「もう貴方とはお会いしません」

「そんな、どうして!?」

「嘘を信じて一方的に婚約破棄しさらに出ていけなどと叫び続けるようなお方とは生きてゆけませんので」



 ◆



 その後私は伯父の紹介で出会った騎士の青年と結婚、今は彼と二人幸せに暮らせている。


 オーレイとやり直す方向で考えなくて良かった。

 その道を選んでいたらきっとまたややこしいことになっていただろう。


 そうそう、そういえば、オーレイは私にやり直しを拒否された日以降心を病んで体調も崩したそうだ。


 今は実家で療養中だそうだ。けれども治りそうな雰囲気はまったくないらしく。数ヶ月が経っても一向に回復の方向へ向かっていないとのこと。現在も一日のほとんどの時間を自分の部屋のベッドの上で過ごしているらしい。


 そして、コルネはというと、目をつけた王子にすり寄り奪い取るために婚約者の女性をはめようとして嘘をついたことがばれたらしく。王子の婚約者の女性の父親が激怒したことで、コルネは拘束され、そのまま処刑されたそうだ。



◆終わり◆

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ